2017年11月16日木曜日

初期のAIは八方美人になる


答えを求めるような実用的なAI、今ならSiriやコルタナやGoogleアシスタントのようなものが今後発展するとしても、その返す答えが個性的になるとは思えない。多分、同じ質問をすると同じ答えが返ってくるのではないか、と思う。これは八方美人とも言える。実際のところ、ベテランのコールセンターのお姉さんと話しているような気分になることがよくある。

この先に個性のあるAIが出てくるとしても、それは個人の好みを反映するからであって、つまり同じ人に対してはやはり同じ答えを返すはずだ。であれば、Siriとコルタナのどちらを選べばよいのかは悩ましいことになる。

そこで出てくる、AIの個性とは何だろう。特定の目的、例えば乗り換え案内に対しては同じ答えが返ってきて当たり前(むしろ違っていてほしくない)だが、雑談や心理的な相談なら、気分によって人を選ぶはずだ。

ただ、その人格すらも切り替えができるとしたらどうだろう。例えばSiriの中にさらに複数の人格がいて、自由に呼び出せるとしたら、それらすら皆一緒になるかもしれない。厳格な父、優しい母、奔放な弟、テキトーな友達、など等。

もちろん、技術の進展の途中では優劣が出るだろうが、個人的にはこの手の技術はそんなに難しくないと考えている。つまり人間の満足する程度には直ぐに進歩してしまい、ベンダは横並びになってしまうのではないか。

その先には、例えば芸能人や著名経営者など、著作権で保護されるような人格が出てきて、それを囲い込みするような事態が考えられる。それは単に芸能人の声で目が覚めるようなものではなく、個人の性格やスケジュールを全て知った上で、その仮想人格の個性が加わった応対をするものになる。

このときには、実用と雑談が入り混じり、経営や人生上の重大事を決めるときの相談や擬似恋愛まで含まれた、かなり個人の好みに密接した受け答えがされるようになるだろう。
ここまでくると、むしろそこに高い付加価値が生まれ、高値で取引されるような事態も起きるかもしれない。そこでは社会適応障害の危険が新たに芽生えるのだが、それはまた別の機会に。

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