2017年11月10日金曜日

不死は可能か


技術が進歩することによって、今まで不可能だったことが次々と可能になってきている。最近感心するのは癌治療の進歩が非常に早いことだ。余命何年というその余命の間に新薬が開発されては延命できる、なんてことが繰り返されれば、何れ癌は治療可能な病気になるかも知れない。

それでも尚、不死は不可能というのが大方の認識ではないかと思う。120歳程度を大幅に超えて生きている人はいない。不死の生物もいない(ベニクラゲは事実上不死だが、あれは再生を繰り返しているだけ)。だが、何れにしても不死が不可能であることの証明にはなっていない。

将来的に不死が実現するかどうかと言えば、可能性はあるというのが自分の見解だ。もし命が単なる複雑な化学現象であるという自説が正しいなら、その異常を抑えるための方法はあるはずだからだ。

そこで注目するのが、冒頭の癌治療だ。癌細胞の基本は、何が癌細胞かを特定した上で、そこに薬や免疫を働かせることで癌細胞を死滅させるものだが、老化についても同じことが言えるのではないか。つまり、(癌ではないが)老化した細胞を特定して死滅させられれば、老化していない細胞が分裂してこれを補うことで老化が抑えられるのではないか。

ただ、これではいわゆるテロメア説の解決にはなっていない。こちらには癌細胞の活用の他、iPS細胞などの未成熟細胞を使う研究が進んでいる。不要な細胞を死滅させ、必要な細胞を増殖することができれば、テセウスの船よろしく永遠の命ができることになる。

今それができないのはとんでもなく難しいから、ただそれだけで、実際には可能であり、人類の英知が(それが滅ぶ前に)進化すれば、永遠の命は可能になると信ずる。

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