2017年12月2日土曜日

実世界API


プログラミングで言うAPIとは、ソフトウェア同士のインターフェースを規定するものだ。これを、人間が動くようにしたらどうか。

例えばピザの配達API、荷物を運ぶAPIなどがわかり易い。もちろんAPIだからと言って従来と同じにはならない。例えばコール毎に条件を与えて可否と見積もりが返ってくるとか、いったん引き受けたができなくなって返金するとか、品質が悪いのでやり直しや支払い拒否が起こる、などがあり得る。

通常の仕事の依頼と何が違うのかといえば、「標準化ができている」というところだろう。例えば毎回契約書を交わすようなことはないし、トラブルの対処については標準的な手法のうちいくつかが適用される、と明確になっている。つまり上手くいかなかったときの次の手順が簡単にプログラミングできるのだ。

人間と法律と契約と忖度から成り立っていた従来の仕事は、ここら辺が曖昧で、トラブルになったりブラックになったりする。だがはじめから明朗会計であれば、そこで無用な時間とコストを消費することはない。

支払いの供託や第三者による仕事の品質チェックなども組み込んでやれば、悪意ある業者の混入や恣意(ブラック)も排除できるはずだ。これはどちらにとっても有益だ。

物品販売は通販、宅配業者もネット申し込みができるから、信頼できる会社については移行は簡単だ。クラウドソーシングやジョブマッチングになると途端に複雑になる。最初に目指すのはこの中間、API化しやすい準定型業務になるものと思われる。例を挙げてみると、次のようになる。
  1. アクセサリーや衣服などの委託製作。あらかじめサンプルや仕様が公開されていて、サイズ毎に定価が示されているようなケース。
  2. 近距離・緊急の荷物輸送。近くの登録者にスマホでアラートが出て、応じるかどうかを即時に判断する。
  3. 定型のイラスト製作。大きさ、カラー、数を指定。これも受託者がサンプルを示しておき、定価を提示する。
  4. 家事代行、ベビーシッター、買い物代行、介護など。
  5. 翻訳、データ入力。
いちいちオークションや交渉をするのではなく、例えばイラストレーターなら「これならすぐ引き受ける」というパターンを何十個かAPI登録しておけば、依頼者が勝手に検索比較の上、ネット経由で「呼び出し」てくれる。受注条件を満たしていれば自動で応答する、ないしはスマホの通知に応答することで契約成立し、後は納品までオンラインで行えばよい。

できない仕事を引き受けないように、受付状況によって納期を自動延長する仕掛けとか、混雑状況によって単価を変動させる仕掛けとかもあって良い。これがリーズナブルであれば、需給は調整され、適切な市場が形成されるだろう。

広い意味ではジョブマッチングであるから、既存のジョブマッチングサイトの拡張機能として作ってみてはどうかと考える。

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