2017年12月15日金曜日
究極のノートPC
現在のノートPCの殆どは、持ち運びを意識しているためにキーボード部とディスプレイ部のサイズが同じである。だがこれには人間工学的な必然性がない。また、このためにキーボードの快適性を損なっているところもある。もし究極のノートPCを以上二点の解消という面で考えるとどのようになるのだろう。
まずキーボードだが、これにはもう解はあって、東プレのREALFORCEということになるだろう。PFUのHHKという人もいるだろうが、ちょっと万人向けではない。まあどちらにしても、十分なストローク、静電容量無接点式、指位置による打鍵圧の調整、ステップスカルプチャーは欠かせない。
テンキー入りにしてしまうと横幅が広すぎ、横方向の折りたたみがないときつい。このため、テンキーなしのモデルにする。また、ノートPCでよくやられるようなファンクションキー・機能キーのレイアウト変更くらいはやってあげてよいだろう。東プレのテンキーなしモデルの横幅は366mmだが、この工夫で340mmくらいにまでは詰められるものと思われる。これならA4ファイルサイズよりちょっと大きい程度に収まる。
ステップスカルプチャーキーボードがノートPCのそれと違う最大の点は、キーが飛び出しているところだ。このため、画面を浮かせた状態で閉じなければならないが、このためにはヒンジをキーボード面からだいぶ上げ、スペーサを画面周囲に飛び出させるような形状にしなければならない。これは、折りたたんだ時の厚さを大いに犠牲にすることになると共に、画面を開いたときにいびつに感じる。
もうひとつ決定的に違うのは、手のひらの位置だ。ノートPCではパームレストの位置はキートップと同じだが、独立キーボードでは机に直接手のひらを置くため、キートップはだいぶ上になる。ノートPCではタッチパッドの左右がパームレストになっているが、これも独立キーボード派には邪魔だろう。
この二つを同時に解決するにはどうしたらよいか。解決策のひとつのヒントとなるのは、LenovoのYogaタブレットシリーズだ。画面の下に角度可変の支えがあり、自由な位置で見ることができる。これに無線のREALFORCEとマウスを組み合わせる。
過去のYogaタブレットの最大の大きさのものはYoga Tablet 2 Proで13.3インチ、横幅は333mm。これにキーボードとマウスを背面に、磁石か何かで装着できるようにする。これだとキーボードと画面が表側になってしまうので、保護パッド付きのスリーブで覆う。これはすぐにできる解決策だ。
但しこれではノートPCとは言い難いから、キーボードと画面を逆に折りたたむヒンジをつけてやり、スリーブをディスプレイ上部に固定することとして、使用時には背面に回りこむようにする。マウスはデフォルトでキーボードと同程度の厚さのものを収められるようにしておく。つまり、まず折りたたみを開いて平らにし、マウスを取り出してからカバーをひっくり返して背面に廻し、更に折り曲げて使用ポジションにする、というアクションになる。マウスがなくてもタッチパネルがあればよい。
キーボードが東プレで画面が13.3なら、価格にもよるが相応に魅力的だ。個人的はこれならChromebookでも欲しい。いやむしろ、Windowsにしたら高性能高額なマシンになってしまうので敬遠したい。基本的にはモノ書き用マシンだから、適当なエディタさえあればChromeやAndroidのほうが有利だと思う。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル
VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...
人気の投稿:
-
性善説と性悪説、どちらを取るかと言えば、やや性善説、だろうか。 子供の成長を見ていると分かるのだが、基本的に子供は善だ。だが、同時に自分勝手なところもある。人の持っているものを欲しがり、場合によっては喧嘩してでも奪おうとする。だがこれは「悪」と言えるほどのものではない。 ...
-
http://techon.nikkeibp.co.jp/real/project/025.html 水と混ぜるだけでできるセラミックスで、圧縮強度、曲げ強度、引っ張り強度、接着強度、耐食性、とあらゆる面で優れているのだそうだ。また、混ぜ物ができるので、その特性をさらに...
-
CAS冷凍 については何回か書いているのだが、いわゆる冷凍睡眠にこれを使えないだろうか、と考えた。 不治の病を未来の医療に託すとして冷凍睡眠(実際には死んでから凍っているのだが)している人は居るし、火星程度より遠くに行くとなると冷凍睡眠の実用化は必要になるだろう。「20...
-
骨梁とは、骨の内部に存在する網の目ないしはスポンジのような構造のことだ。この構造によって、骨は頑丈なのに軽量でいられる。類似の構造としてはアルミ発泡材があるが、あれはどちらかと言えば消音や軽量化が目的であり、骨のような(建築用語で言うところの)構造材としての用途とは少し違う...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
フリーズドライには、戻したときに食材の食感が変わってしまう欠点があった。代表的には、豆腐が高野豆腐になってしまう。じゃがいもがスカスカになってしまう。葉物野菜はしなしなになってしまう。これらの欠点を、「 CAS冷凍 」によって補うことはできないか、と考えた。つまり、冷凍には...
-
http://www.reconstruction.go.jp/topics/m18/04/20180409160607.html 復興庁が出した、東日本大震災における復興支援の報告書だ。 ざっと読んだが、よくある役所の成果報告書という感じで、タイトルからして「事例...
-
http://japanese.engadget.com/2017/03/28/ai/ これは、上の記事への反論である。 記事の流れについては先のリンクを読んで頂ければと思うが、大きくはその結論として①AIには想像力がない(苦手)、②日本人には世界に稀に見る想像力...
-
ソフトによっては機能が多すぎて、メニューの中を探すだけで一苦労、ということが増えてきた。画像編集、CADなどは特にそうだが、ワープロ程度であっても既に充分に多い。一度も使ったことのない機能も多々ある。 ソフトによってはメニューがカスタマイズできるものもあるが、その範囲は...
-
電線の地中化が遅々として進まないそうだ。 電線を地中化できない最大の要因はコストだろう。よく「予算が無い」などと言われるが、その本質は「それだけの予算を掛ける価値が見出せない」ということだ。地中化の主目的は防災だが、普段のメリットがせいぜい景観くらいしかないことが、...
0 件のコメント:
コメントを投稿