2017年12月23日土曜日

Amazon Restaurantsドローン


既に米国では始まっているサービスらしい。レストランの料理を配達してくれるというサービスだ。このサービスとドローンの親和性を指摘しておきたい。

宅配ピザは専用の箱に入って届けられる。付け合せのサラダは、背の高いプラスチック容器にラップないしは蓋がされて配達される。これは何れも、配達の際の振動や傾きに対処するための措置で、しょうがないことだ。だがこれでは、直ぐに食べることができない。レストランでは、背の低い皿に食材が盛り上がって盛り付けられている。

もし振動や傾きが十分に少なければ、レストランでいきなりテーブルに並べられるような形状そのままに、配達ができるはずだ。ドローンならそれが可能だ。傾きや加速度をセンサで測定し、許容値以下に抑えるように調節できるからだ。

皿を樹脂製にして軽くし、レストランで食べる際よりも若干深めの皿にする、盛り付けにも工夫する、例えば粘着性のソースを使う、くらいのことはして良いだろうが、原則ラップなし、蓋なし、薄い紙で皿を囲う程度、ソースも粉チーズもかかった状態で、カトラリーも丈夫なものを付けて、直ぐに食べられるような状態で配達する。

また、あらかじめトレイに乗せた状態で配達し、トレイごと降ろすような仕掛けとすれば、まさにそのまま「いただきます」できる。そして片付けも、食べ終わったらドローンを呼んで、トレイごと持って行ってもらう。

こうすると、もはや上げ膳下げ膳の世界である。デリバリーに限らず、厨房からテーブルまでをこれにすることも考えられるし、社員食堂からランチを自席に配達するような芸当もできるだろう。弁当の宅配サービスとして考えても、容器の制約が緩くなれば、いろいろと工夫ができる余地もある。

非常に有望だとは思うのだが、ここでは、技術的な問題を二つ挙げておく。一つは、従来玄関で受け取っていたところをテーブルまで誘導する仕掛けをどう作るか。二つ目は、「風」の問題だ。

まず前者だが、多くの場合、玄関を通ることになる。場合によっては窓からということも考えられるが、人間のデリバリーとはっきり異なるのが、その近くまでは行けるとしても、ピンポイントでテーブルの位置とそこまでのルートを機械が見極める必要がある。

遠い将来はともかく、現実的な問題としては、近くまで来たらドローンが注文者を呼び出して誘導してもらうのが良いだろう。このために、スマホ側にドローンを誘導するソフトを入れておく。近くに来たらそのソフトが起動し、注文者に誘導を促す。具体的にはスマホを手に持って玄関ないしは窓を開け、ドローンを中に入れた後、そのスマホを手に持ってテーブルまで行って、スマホをテーブルに置く。

ドローンは、ソフトが発する光(画面ないしはフラッシュ)を使ってスマホの場所を認識し、画像認識でテーブルに置かれ安定したことを検知してテーブルを認識し、そこに降ろす。

あるいは、ドームカバー(下記)の持ち手を重量バランスの真ん中になるように工夫して、その持ち手だけを持つようにすれば、玄関渡しができるだろう。

二つ目の風の問題は、一つ目のサーブをして蓋を取ってドローンが飛び去る際に風圧が掛かり、食べ物が飛び散ってしまうことだ。これを防ぐには、トレイだけでなく、料理全体を覆う蓋、フランス料理でよく見るようなドームカバーをそのまま置いていく、という方法が考えられる。だがそのままでは大きく邪魔なので、折りたたみ式にするなどの工夫が必要だろう。

また、綺麗な部屋ならよいが、たいていは周りの小物や紙類を吹き飛ばしてしまうだろう。むしろこちらの方が問題かもしれない。屋外ならともかく、狭い室内にドローンが入ってきたときの風は結構なもののはずだ。こちらには根本的な解決法はないので、室内を片付けるしかない。

なお、支払いは大きな問題ではない。そのソフトで電子決済をすればよい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル

  VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...

人気の投稿: