2017年12月29日金曜日
USB-Cへの不満と解決策の提案
USBの端子が最初にお目見えしたとき、ガッカリした記憶がある。
USB以前のインターフェースと言えばRS-232CだったりパラレルポートだったりSCSIだったりと、とにかくコネクタが大きく、また設定も大変だった。これが差すだけで自動情報交換してソフト的にもつながる、また電源も供給できる、というのが大きな期待だったが、出てきたコネクタは(確かに従来よりは小さいが)十分にデカく、上下の向きがほとんど同じで差し間違え易く、端子も前時代的で、無用に角ばっていて、無骨なものだった。
欧米主導で決められたのだが、国内では自分と同じような意見が多かった。もっと小さく、差し間違えない工夫が必要だ、というものだ。それで押し切られた後、miniUSBの規格が出てきたとき、それ見たことか、と思ったものだ。
その後microUSBが出てきたとき、miniと何が違うのかと戸惑った。今度のUSB-Cコネクタもそうだし、USB-PD周りの規格の混乱も著しい。オプションだらけでケーブルにも規定があり、どう組み合わせれば正しいのかがさっぱり分からない。
まず、裏表の差し間違い云々の話は、もう裏表だけの問題ではない。完全な丸穴にすべきである。ついでにテーパも付けて、磁石で吸い付くようにしてもらおう。イヤホンジャックより一回り大きく旧来のACアダプタより小さい、例えば4.5φの穴に差し込む形式にしておいて、電源以外は全て光でやり取りするようにすればすっきりする。周辺部は金属で電源、中央は光ファイバーだ。
ケーブルにもチップを内蔵することは最初から義務付け、プラグと機器の間みは外側の電源端子を通じて通信する。電源供給は交流としておいて、通信はこれを搬送波として使う。コネクタが刺さると、まず機器は電源を供給せずにチップとの通信を試みる。もし応答がなければ電源を供給して再度通信する。そしてケーブルへの電源供給の向きと量、最大通信速度を決めてから本来の通信プロトコルに入る。
また、電源供給不良や発熱の検知なども仕様として含むこととする。ケーブル両端での電圧降下、温度、通信速度を見ていて、本来の性能が出ていないときにはアラートを出すようにする。
プロトコルは相当複雑になるにしても、ケーブルにチップ内蔵を義務付ける(チップがないと通信できない)ことによって、ケーブルの不良による火事の危険などは避けられる。また、光ファイバーの質もチップに記憶されるので、機器とケーブルの組み合わせにおける最高の速度を提供できるし、エラーが多ければ自動で速度を落とすなど、自立的な制御も可能だ。
最初のネゴシエーションとその先の分岐に関してしっかりしたアーキテクチャがあれば、どんな通信でも可能だ。例えばUSBだけでなくLANも通せるし、電話線など公衆通信にも使えるだろう。例えば長距離では電源供給しない、なども選択できる。この場合、機器の電源はケーブルのコネクタ内チップへの電源供給だけに使われる。
USB-Cでも光ファイバーは議論されたらしいが、最初にUSBを制定したときに比べて最近のUSBはオプションだらけでぐだぐただ。コネクタを新しくする勇気があるなら、もっとユーザに親切で、長持ちする規格を作ってほしいものだ。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
ダイナミック租税とその指標
今の法律では、税率は一定の計算式で表されるが、そのパラメータは固定である。需要と供給のバランスによって商品の価格を変えるダイナミックプライシングというのがあるが、あれを租税にも適用してはどうかと考えてみた。 納税者の声をベースにして様々な租税や補助金を自動調節して、どこか一箇所...
人気の投稿:
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
科学者、医者等であっても発言が必ずしも科学的とは限らない。無自覚ならまだ可愛いが、むしろ素人を煙に巻く悪意すら感じることもある。 量的議論がそのひとつであることは言うまでもないが、もっと以前の問題として、論理が破綻していることの多さがある。 そのひとつとして、ス...
-
新型コロナウィルスへの対応で、医療機関の防護服やマスクが足りないことが話題だ。ゴーグルは違うが、その他は使い捨てであるところがネックになっている。作っても作っても、消費の方が激しい訳だ。しかし考えてみれば、そもそも何で使い捨てなんだろう。細菌兵器用の防護服は使い捨てではない...
-
ガートナーが出しているハイプサイクルによると、生成AIはまだ幻滅期の手前にいるらしい。つまり今後大きな幻滅を経て実用域に進んでいくことになる。その幻滅とは、人間なら当たり前にできることでまだ生成AIにできないことが多く分かってくることによる。そしてその幻滅期を乗り越えるのは、...
-
時代が進むことで、昔のSFが奇異に思えるようなことはよくある。抑揚のないコンピュータ音声や、わざとぎこちなく歩く人間型ロボットなどは、もはや過去の遺物である。スタートレックシリーズに出てくるトリコーダーもその一つだ。 トリコーダー本体、また医療用プローブを手に持って...
-
生成AIを使って作成されたイラストに対する極端な非難が相次いでいる。そのどれもが、ちょっと行き過ぎに思える。例えば、事前にAIであることを知らせているもの、絵を描いている本人が確認し承諾したものまでも非難されている。なぜこんなに過剰な反応をするのだろう。単にノイジーマイノリティの...
-
卓上カレンダーのようなものを机に置いておいて、必要に応じてテレビ電話やフォトフレーム、緊急通報など、家で必要とされる様々な機能を集約する機械を考えてみる。 これは、従来は電話やFAXのような位置づけだったものだ。これら以外にも一家に一台の情報機器は考えられるので、それを切り替え...
-
コロナ禍ではあまり本ブログを更新しなかったが、この間は陰謀論が跋扈した時期でもあった。コロナは存在しない、ワクチンは危険、アビガン買いだめ、マスクは意味がないなど、実に様々な陰謀論が飛び交った。 この手の人は今だに存在しており、体感としてはむしろ増えている。それも、身の危険を...
-
自分の知る限りでは、VRChatのワールドで青空文庫が読める図書館があったのと、N高の教室メタバースくらいしかマトモな例がないのが、メタバース内で本を読む方法だ。本や書類がメタバース内で苦も無く読めるようになれば、電子書籍も含めて全部メタバース内に落としてしまいたい、とすら思っ...
-
映画と言えば、今でも娯楽のジャンルの一つとして確立したものではあるが、近年では衰退の兆しがある。そのたびに3DやCGなどのテコ入れが入ってきたわけであるが、ここにきて更に新しい提案ができるようになった。それがタイトルにあるインタラクティブ性の導入である。 とは言っても、...
0 件のコメント:
コメントを投稿