2017年12月10日日曜日
自動運転バイク
先日のモーターショーでは、バイクの自動運転が披露されたらしい。実物は見ていないのだが、その中の技術で、倒れにくいバイクがあった。バッテリーを錘代わりに使って左右に動かすことでバランスを保つのだそうだ。これはよいアイデアだと思った。自分の以前の提案では、車輪にフライホイールを使うというのがあったが、実はあれでは燃費が悪く、車重が重くなる。
さて、そこでは将来的にバイクも自動運転を目指しているのだと聞いた。確かに倒れにくいバイクがあればそれも可能だろうが、バイクではハンドルを握っている必要があるし、重量バランスもとらなければならない。自分が思わぬ方向に曲がろうとすると、最悪バイクから放り出される危険がある。そこをどう考えるのだろう。
バイクが自動運転になったときはそこが心配で、特にバイク免許のない人が乗ると危険ではないかと思うのだが、それがクリアできるのであれば、自動運転車とは違った利便性をもたらしてくれるので非常に興味がある。
例えばスクーターに自動運転機能がついたらどうか。高齢者や子供がこれに乗れるのなら、近所の買い物や、それこそ学校や塾にこれで行けることになる。これは単に早く移動できるだけでなく、路上での声掛け案件(車に誘われる、何とかを見せられる、いきなり殴られる)に巻き込まれる確率を減らす効果がある。
また、家族で出掛けるとき、30分~1時間圏内くらいだったらこれで行くようになるのではないか。通勤でもこのくらいなら軽い。行動半径が広がり、疲れも少なく、渋滞の心配も少ないとなれば、普及は早いように思う。
特に都心の電車の利用は大きく減り、自動車も減り、スクーターだらけになる可能性だってある。自動運転なら危険運転や暴走は少ないだろうし、集団で渋滞回避も可能であろう。また車と違って無駄な空間を占有しない(車なら一人で乗っても5人分の空間を占有する)から、道路の使用効率も高い。
スクータータクシーやスクーターシャトルのようなものも出てくるかもしれない。大きな繁華街や乗換え駅に、バスターミナルのようにスクーターターミナルができ、自宅からそこまではタクシーで、そこから先はシャトルや電車で目的地近くまで行き、再度タクシーで目的地に向かう、というような流れを作ることができる。
こうなると、想像する未来は少し違ってくる。まず自動運転車より自動運転スクーターの方が遥かに多い台数が普及する。その大部分はスクーターシェアであり、近所の駐車場に常駐している。各駅停車のみの駅は廃れ、極端な場合は廃止になる。これにより急行の本数は増え、より早く到着できる。
自動運転車は雨の日やノンストップ(乗り継ぎなし)用途で使われるが、スクーターの方が早く着くケースが増えるのであまり普及しない。街中にはひと頃の中国の大通りのようにスクーターが溢れるが、渋滞やトラブルとは無縁である。自動運転車も含め、自動車、特に自家用車、バス、タクシーの数は大きく減る。繁華街や行楽地の駐車場は駐輪場に置き換わる。また、スクーターなので二階建てや地下化は容易であり、その容量は増大する。
被災時の避難もこれで可能になる。特に、津波発生の際、障害者や高齢者を簡単にいち早く避難させられる。現在車椅子やセニアカーを使っている人の一部はこちらに乗り換え可能となり、より行動範囲が広がる。免許返上の高齢者の一部も、行動範囲を大きく狭めないで済む。
これは結構楽しい世界だ。スクーターの自動運転と免許不要化の研究は、大いに推進してほしいものだと思う。
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