2017年12月18日月曜日

LPWAボタンと基地局ビジネス


AmazonにはDashボタンという買い物用のボタンがあるが、あれはWiFiで家庭の無線LANにつながっている。もしLPWAを備えていたら、100km電波が飛ぶわけだから、WiFiは不要だし、どこに持ち歩いても困らないはずだし、どこに設置しておいてもよいことになる。これはこのボタンの応用を広げる。

例えば、夜間警備員が巡回の証拠をとるのに昔は鍵を各所に置いていたが、これをこのボタンにする。ボタンを押すことで「今この場所にいる」と分かる。ボタンは水銀電池1個で数年はもつからメンテナンスもほぼ必要ない。ボタンを押すときだけBluetoothを起動して手持ちのスマホのMACアドレス認証をする、なども考えられる。

また、非常通報ボタンもこれに使える。公園や街中の電柱などに貼っておく。従来も非常通報ボタンはあったが、配線が必要であり高機能高額だった。これなら極めて安価であり、メンテナンスもほとんど必要ない。

そうなると、非常ではなく緊急レベルにも使える。ナースコールを無線にしてペンダント型にするだけでも使い勝手はずいぶん楽になるし、ホームセキュリティでも親機なしで直接センターに情報を飛ばすことができる。

他にも、ポスターに「いいね!」ボタンとして設置しておくと広告効果が分かるとか、田舎道に埋め込んでおいて交通量を測るとか、遠隔で様々なことを知ることができるようになるだろう。

LPWAは必ずしもボタンだけに使われるわけではないのだが、まずはボタンを押すとIDを飛ばすだけのハードウェアとベースシステムと基地局を作り、IDを識別してその業者に通報するAPIを作り、月額幾らでリースしてもらえば、様々な業者が様々なアイデアを実現するプラットフォームになる。

この基地局作りは新たなプラットフォームになり得るため、ドコモのような通信業者が既存の携帯電話基地局に併設する形で作ってみてはどうかと思う。通信業者にとっては新たな稼ぎ口になり、またベンチャーが活躍する場を提供することになる。

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