2018年9月29日土曜日

無影マルチプロジェクタ空間


部屋中をスクリーンにして、あちこちに多くのプロジェクタを設置して、体の影になるなどして映らない場所を極力減らした空間を作る。これが無影マルチプロジェクタ空間の概要である。

最近、お台場などで、これに近い技術を使った遊び場ができている。科学未来館にも確かそういう展示があった。他にも色々とプロジェクタを使った遊び場はあるのだが、どれも大きく次の点で不満がある。まず第一に、プロジェクタ映像が自分にも映ってしまうところ。次に、そのために影になったところの映像が薄くなってしまう。三つ目は、あくまで暗い空間でしかできないことだ。

第一と第二の問題は、プロジェクタと同じ方向にカメラを設置して、リアルタイムで写す映像を調整することで回避可能だ。カメラで人間の位置を認識して、その部分は本来映す映像ではなく照明としての白を投影するだけでよい。まだそこまでやる気概がないのだろうが、原理的に困難なわけではないので、早急に何とかして欲しいものだ。残る第三の問題は、上の問題が直ればある程度は改善できる。

そうすると、「メガネの要らないVR空間」のようなものが作れることになる。天井はまあ除くとして、床と壁がこれで作られれば、(立体ではないものの)TNGのホロデッキのようなものが出来上がる。

もちろんエンタテイメントで使うというのはアリなのだが、もっと実用的なアプリケーションがないと発達しない。どんなものがあるのか考えてみると、
  1. 共同作業のシミュレーション。高圧鉄塔でのメンテナンス、造船、高層建築(解体)、ソーシャルゲームなど。
  2. 団体での旅行シミュレーション。家族旅行、職場旅行など。
  3. VRゴーグルが使えない人(極端な閉所恐怖症、特殊なメガネが必要な人など)向けのVR。
  4. 周囲を常に広く見回す必然性があるシミュレーション。登山、サッカーなど。
  5. 集団心理のシミュレーション。事故事件でのパニック演出、洪水や地震など。
歩けないのは問題だが、セグウェイに乗っているなど、各自が乗り物に乗っている前提なら、多少はごまかすことができる。

何れはパッシブな使い方(高原でくつろぐなど)も増え、家庭にも浸透していくのではないか。トイレや風呂と同じく一家に一部屋、そういう部屋があってもよい。

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