2018年9月17日月曜日
新ZOZOSUIT
ユニクロの柳井社長が、「あんなのおもちゃ」と発言したという記事が日経に載っている。これを読んで、逆に興味が出てしまった。
柳井氏がその次に続けた言葉は、「店で測ってもらった方が早い」だったそうだが、もしこれだけなのであればとんだ見当違いだ。ZOZOTOWNは通販の会社だから、店なんて持っていない。(ユニクロで計ってもらってZOZOTOWNで買うというのなら分かるが) 他に意図があるのかどうか。
巷では、柳井氏の危機意識の裏返しだとか見識不足だとか賛否両論らしいが、まあ百万着無料配布なんてのが採算度外視も無茶でないのなら、ZOZOにも商機があるのだと思う。
既に、通販が実店舗を圧迫する風潮は続いていて、Amazonの躍進はご存知の通りだ。しかし通販にも弱点はあって、それは服・靴と生鮮品だった。生鮮品はAmazonフレッシュが出てきているので、残りは服・靴だ。既に売られてはいるが、実店舗を脅かすまでに至っていない理由は、このサイズ測定にある。
現状では、精度が安定していないという指摘があるので、ここの解決がまず必要だ。他にも、靴版を出して欲しいとか下着(特にブラジャー)が買えないか、というリクエストが出ているようだ。また、一発でぴったりのものが買えるというのは結構感動するらしく、そういう発言も多い。
また、この計測ソフトに「平均値との比較」があるらしいのだが、これがまたダイエットに良いと評判らしい。レコーディングダイエットでもそうだが、改善するにはまず測ることからはじめなければならない。ある意味心理を突いている。
さて、現在のZOZOSUITはドット柄の全身タイツを着て、スマホソフトで撮影しなければならない。ここはもうすこし改善して欲しいところだ。着るだけで測れるというわけには行かないものだろうか、と考えてみた。
その鍵となるのは、導電性素材だ。タイツであるからには伸び縮みするわけだが、その伸び縮みによって電気伝導率が変わるような素材があれば、原理的には測定可能なはずだ。例えば導電性シリコーンなんてどうだろう。精度の問題はあるが、可能性は捨てきれない。
それともう一つ、姿勢や運動の状態も測定できないだろうか。そうすれば24時間(まあ風呂もあるだろうが)測定できる。もうブレスレットタイプなんてメじゃない、究極の測定だ。
さすれば、もっと凄いことが分かる。つまり、一日の体のサイズの変化が測定でき、それと運動との相関性までが分かるかもしれないのだ。
ZOZOSUIT単体では、食事や水の摂取までは直接は分からないが、体の動きからそれを推定することはできるかもしれない。そうすれば、その人にとって食事や運動が体型にどれだけ、またどのくらいの遅延をもって影響するのかが分かるようになる。
これは新たなダイエット学の始まりだ。ライザップで導入するも良し、部活で応用するも良し、もちろん個人用アプリを売るのも有用だ。オンラインでダイエットサービスと繋がってAIで逐次叱咤激励される、なんてこともできるだろう。
やったことと結果がダイレクトに分かるから、その方法論はAIに蓄積され、どんどん精度が上がっていく。もしかしたら、今まで気付かなかったとんでもない不健康な習慣が見つかるかもしれないし、上手くすれば成人病予防や寿命が延びるなど、究極の健康まで手に入れることができるようになるのではないか。
生まれてから死ぬまで新ZOZOSUIT。あながちバカにしたものではない。
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