太陽光の強弱は雲の有無と太陽の位置(角度)で決まるが、どちらも測定可能であり、かつ地域的にも時間的にも連続的に変化するので、ある程度予測が可能である。更には、広域で行えば平均化できる。
一方で、本当に変動するのはむしろ需要の方だ。だから系統は、需要に合わせて発電量を調整している。2015年度の発電量のうち、太陽光は3.3%、風力が0.5%しかない。これが平均量だとすると、その変動は多く見積もっても計8%程度しかないが、もともと1日の電力需要の変動は100%、つまり倍半分程度はある。
確かに従前に比べれば変動量は上がる。そのこと自体は間違いではないし、その対応にコストが掛かることも事実だろうが、そんなに目くじらを立てるほどのことでもないのではないか。
もちろん、太陽光の比率が上がればそんなことも言っていられなくなる。これには太陽光発電の量をできるだけ正確に予測することが必要だが、何のことはないこれは天気予報と同じだ。現在気象庁が進めているメッシュの細密化はこれに貢献するし、電力会社側でも需要予測をAIで行うようなことができれば、より自然エネルギーに寛容な社会が作れるだろう。
風力発電の方はこれより難しいため、バッファとなる蓄電池でのセット運用に重点が掛かる。これは高コストなので、普及速度は太陽光より遅くなることは仕方がない。
不安定と言えば、今の原子力発電の仕掛けを勉強したのだが、あれこそ不安定の極みだ。物凄い暴れ馬をあの手この手でなだめて何とか使っている、という印象を受けた。先端技術というのはそんなものなのかもしれないが、もっと本質的に安定な(根の良い)技術を使うべきではないだろうか。
これは原発を止めようというのでなくとも、原発の範囲内で可能だ。例えばナトリウムよりも安全な冷却材を使う。始めから水棺を作っておき(水は入れずに)その中に作る。溶融塩型にする。それでコストは悪くなるだろうが、安全性は高まるはずだ。そのような細かい技術の選択肢はあちこちに転がっている。それで例えば火力より高くついたとしても構わないのではないか。
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