2016年11月23日水曜日

フェイントの科学


Vsjacksonville-35 by Pv=nrt via Attribution Engine. Licensed under CC BY.
高校でのクラス対抗サッカーでの自分のポジションはスィーパーだった。フェイントに強かったからだ。自分は当時運動部にすら所属していなかったが、サッカー部のフォワード相手でも一度も抜かされたことはない。だが運動神経が人一倍凄かったわけではなく、科学的に考えた動きをしていただけだ。


ボールは生き物ではないから、自分の意志で動くことはない。動くには何らかの物理的な力が掛かる必要がある。つまりは相手の足だ。

サッカーには、足の裏でボールの上を擦るようにしてその方向に動かす技があるが、それ以外では足の位置の反対側にしか動かない。だから足の位置に合わせて動きを予測することは簡単だ。足が右にあれば左に、左にあれば右にしか動きようがない。

次は相手の動きだ。パスをするつもりでなければ、相手は必ず自分自身がどちらかに動くとともにボールもそちらに動かそうとする。そしてどちらかに動こうとするならば、必ず体の重心を動かさなければならない。

重心を動かすには、反対方向に足で地面を蹴るしかない。だから足の動きを見ていれば、相手がどちらに動こうとするのかは把握できる。その様子がないのに足だけがボールの周りを動いているだけなら、それはフェイントだ。

自分の動きにもコツがある。まず、足を内股のㇵの字にする。自分の重心の十分外側に左右の足を出し、どちらにも蹴りだせるようにするためだ。足が重心の近くにあると蹴りだしにくい。

次は、相手は蹴りだしてからも姿勢を崩せないが、自分はボールを相手から離してしまえば転んでも倒れてもよい。その積もりで足を出すことだ。そしてそのタイミングは、相手がフェイントを掛け出してから時間が経たない方がよい。その方が相手がフェイントを続けようとする確率が高いからだ。フェイントはボールの左右に足が行き来するので、その中間(右から左に移動する途中、及びその逆)を狙う。

これらは、もしかしたらサッカー雑誌などにも書いてあるかもしれない(確認したことはない)。だが何れも物理の法則から簡単に導き出せることだ。相手の目を見ろとか根性とかは関係ない。同様なことは他のスポーツでも考えられる。

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