2016年11月16日水曜日

食品添加物の不安について


保存料を減らしてほしいと頼んでいる主婦が、一方で健康のためビタミンCを飲んでいる。食品業界でよくある笑い話だ。保存料の代表格である酸化防止剤として、ビタミンCはよく使われている。

XX料、と書くと仰々しく見えてしまうのだろうが、その実態はそんなに恐ろしいものではない。しかし、着色料保存料ゼロ、というのは売れる響きらしい。

安心安全とはよくあるフレーズだが、人間は安心を求めるのであって安全を求めるのではない。安全であることが安心だから安全を求めるのだが、ある状態が安全かどうかを判断するのは感情ではなく理性である。

食品添加物について言うなら、個々の役割や毒性を知っていて、この量なら問題ないというエビデンスまでがあり、それが安全と言えるわけだが、その知識がないと入っているという事実だけで不安になってしまう。だが理性では同時に、その添加物がないとどういう不都合があるのかまで分かる。つまり、入っていない方が安全、とは限らないし、むしろ入っている方が安全なケースの方が多いはずだ。そしてここで言う「安全」は「安心」ではない。

代表的な添加物はネット検索すればすぐ出てくる。添加物としての許容量も、国の機関が調べた結果をネットから閲覧できる。口に入るものなのだからそのくらいは調べて判断してほしい。

そうは言っても、国民全てが理系というわけではないではないか。御説御もっともだ。であれば、添加する側がその安全性についてちゃんと解説すべきである。ところが実際、それをやっているところは少ない。説明し切れなければ「ここは添加物を使っている」という不安を更に煽るし、ちゃんと読もうとする御仁は少数派だろう。つまり彼らは分かっているのだ。説明するのが無駄だということを。

小学校の算数ができない大人はいない。理系知識と言えども国民の多くが知っておくべきものは存在しており、しかもその量は時代と共にどんどん増えていく。考えるのを拒否するのではなく、時代の要請と割り切って勉強して頂きたい。全体の底上げが為されないと、結局隠す方向に倒れてしまう。

自分の場合、それより遥かに怖いのが化粧品だ。なぜならその添加物の種類が非常に多く、一つ一つの素性がよくわからないからだ。もちろん細かく調べていけば分かるだろうが、へ難しい長い単語を覚えて検索して、などとする気が起きない。もっとも、自分が使わないから興味が薄いからではあるのだけれど。

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