2016年11月3日木曜日

Microsoft Flow


https://flow.microsoft.com/

IFTTTのMS版、と言ってしまえばそれまで、また事実その通りではあるし、繋がるサービスの数は桁違いに少ないのだけれど、遂にMSが動いたかと思えばちょっとは触る気になって、やってみた。

ハッキリ言って、IFTTTに比べれば子供騙しのレベルであるが、その理由は単に対応サービスのバラエティにあるのであって使い勝手ではない。だから将来的にはIFTTTに追いつき追い越す可能性はある。そしてその先に考えるのは、これ自体の標準化だ。

つまり、Flowの存在を前提として、個々のサービスが重複する機能を削ぎ落としてシンプルになる、という未来である。(IFTTTや)Flowの主目的は情報連携であるし、そのインターフェースはREST APIだから、将来的な拡張やサービスの追加は容易だ。だからAPIを設定して後はFlowに任せる、という作り方は現在でも可能な訳だ。

代表的にはプロジェクト管理、ToDo、スケジュール、メール・ソーシャルメディア等の投稿の通知が挙げられる。メールには今でも振り分け機能や転送機能があるが、あれがごっそり無くなっても良いとなれば、個々のサービスの負担は大きく減る。また複数のメールシステムを使い分けていても同じ通知ができるとなれば、むしろ好ましい状況になる訳だ。

以前にもスマートウォッチに関して考えたことがあるのだが、スマートウォッチの本分は通知にある。だから、スマートウォッチ向けにFlow(かIFTTT)があれば、他の通知系アプリは不要とまで言っていい。尚、IFTTTには既にAndroidにもApple Watchにも対応しているが、Flowは始まったばかりで、まだないようだ。

もう一つはIoTで、本家IFTTTには多数のIoTデバイスとの接続がある。電源制御や照明、人感、サイレン、温度湿度、ボタン、監視カメラ、GPIO、家電も多くある。コーヒーポット、洗濯機や冷蔵庫、エアコンなどだ。IoTには家庭と企業とでアプリケーションがかなり違うが、家庭のIoTに関してはIFTTTがあればもう充分な域まで来ている。また、Amazon EchoGoogleアシスタントとの接続も既にあるので、音声による制御も可能になっている。

つまり、①IFTTTを前提としたシンプルなWebサービス、②同じくIFTTTを前提としたIoTデバイス、③IFTTTのフローを作成・カテゴライズ・カスタマイズ・整理するベンダ、これらが各々切磋琢磨して作り上げるホームオートメーションや個人の作業オートメーション、という未来が描けることになる。そしてその多くは、家ならEcho、外出先ならスマホやスマートウォッチで完結する。

現在では、フローの整理が弱い(作り散らかしているように見える)ので、③には別業者が出てきて色々と工夫してもらうのがよいと思う。

自分の場合何がしたいか考えてみたが、やはりアクシデントへの対応が一番気になるところだ。例えば、電車が遅れていたら早く起こしてくれたり、スケジューラに何か入っていたら早めに準備するようアドバイスしてくれる。しかも行先に合わせて。テレビ番組表はどんどん新しくなるので、それに合わせて録画を推奨してくれる。家族の記念日に合わせてケーキやレストランの予約を推奨してくれる。田舎で大きな災害が起きたら教えてくれる。出かけている間中の天気を予測して、服装や傘のアドバイスをしてくれる。いつもやっているルーチンワークをやっていないと、ご機嫌を伺ってくれる。

まだ現状ではちょっと手が届かない要求も含まれているから、これはこれからの課題になるだろう。Flowに触ったことで、むしろ本家IFTTTの方を積極的に使ってみたくなってしまった。皮肉なことだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル

  VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...

人気の投稿: