信用していない理由は、指紋はそこら辺から幾らでも採取可能だからだ。つまり鍵をあちこちにばらまいているのとかわらない。極端な話、そのモノ(例えばスマホのボディ)は指紋だらけだ。採取した指紋からロックを解除するなど、小学生でもできる。
虹彩認証は少し難しくなる。これはターゲットを高解像度カメラで撮影する必要があり、更には明暗による生体認識もある。それでも回避は可能だが、ウィルスのように手間を掛けずに解除することはできないから、犯罪者側もそれなりの覚悟と準備が必要な点で信頼できる。
網膜認証や静脈認証は理想に近い。ターゲット機器に近接しなければ測定できないからだ。網膜認証は機器が大げさだが、指静脈や手のひら静脈はもう実用化されている。
これらの認証方式はどれも既に発明されてから時間が経っており、指紋は淘汰されるものと思っていた。だが実態はこれだ。一体技術者は、あるいは世の中は、何を考えているんだろう。
指紋認証をするくらいだったらデバイス認証の方がよっぽど筋が良い。キーホルダー型のBluetoothドングルを一つ作っておけば、スマホでもPCでも対応できる。技術的な障壁は何もなく、またマイナーなベンダからはそういうソフトも出ているのに、一向にメジャーになる気配がない。
スマホでパターンロックやパスワードを掛けている人すら少数派だが、それでも例えば電車の中や街中でロックを解除すると、横から覗き見されたり、監視カメラに映っていたりしたら終わりだ。少々長くしていても使えない。
Windows 10のPINもダメだと思う。Windows Helloは良さそうだが、本体に内蔵した機器は殆どない。キャッシュカードの4桁の暗証番号など、恐ろしくて堪らない。
ここら辺の感覚は、自分と常人とはかけ離れているのかもしれない。
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