VRを使ってXX、という記事を多く見かけるようになった。長年技術ウォッチをしていると、過去と今の類似性を感じることもよくあるのだが、VRの初期とPCの初期に共通点を感じる。
それは、「何でも仮想化」というところだ。PCでの仮想化とは、ペンをキーボードにする、書類やノートをウィンドウにする、といったものだ。OHPがPowerPointに置き換わったのも同じ匂いがする。
これに対し、VRは主に視覚を仮想化しているが、PCでも画面にマッピングはしているわけだ。これが目に貼り付き、片目毎に見ることで立体視ができ、更に頭の動きに追随する。PCのときは書類が主な対象だったが、これがカメラに映るものなら何でも、となる。
今はまだ黎明期だと思う。VRを使ってXX、というのは、とりあえず適用してみよう、という話であって、そのうち向き不向きが分かってきたり、技術的な問題が整理されてきたりする。「VR酔い」なんてのはその一つだ。
そのうちVRは当たり前の技術になるのだろう。PCでも初期は、その性質をとことん追及して「XXには向く」「XXには向かない」という議論があったものだが、これも長年の経験知からしてそれほど当たらない、と言うか、追求しすぎることでかえって視野が狭くなってしまうものだ。技術の進歩は不具合を解消する方向に働くものだから、本質的なもの以外は楽観的に考えてよい。
一方、技術的に可能であってもなかなか製品ができないことも多々ある。そこら辺の考え方の変遷、製品の開発傾向、といったものも、類似性を感じることの一つだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿