2016年11月28日月曜日

下水の熱回収


室内の環境を良くするためには、気密断熱をしっかりする必要があるのだが、日本の家は平均的にここが極めて弱い。

これは伝統と言っても良いのかも知れない。日本の家はそもそも寿命が短いので、そういうことにカネを掛ける発想が弱いのだろう。その根本には、地震や洪水、火事などに弱い地盤や都市構造がある。

だが、日本のエネルギー消費量を調べてみて思ったのだが、電化製品の増加はともかくとして、その消費のベースは暖房と給湯で、これだけで全体の6割になる。ここの効率を上げないと、エネルギー消費は改善しない。

そこで考えてみるのだが、一つは断熱性の高い家を造ることだ。ヨーロッパには多くの先例がある。日本の場合は湿度が高いので多少のアレンジは必要だが、基本はこれだ。そしてもう一つ、世界の何処も手をつけていない技術がある。それは風呂からの熱回収だ。

原理的には簡単な話で、ヒートポンプを使って、風呂の残り湯を捨てる時にそこから熱回収をして、次の風呂用の水を温めてやるのだ。次の風呂用の水はタンクに貯めておいて、足りない分は深夜電力などで補完する。電気温水器の変形版と考えてもらえばよい。

更には、給湯には洗面所と台所がある。これら全ては下水管に繋がっている。つまり、下水管をターゲットとした熱回収システムがあれば、用を為すことになる。全部合わせて半分でも回収できれば、画期的に電気代が浮くことになる。

太陽熱温水器のように、一軒家でないと使えないシステムではない。マンションなら更に効率的なものが開発できるだろう。高気密高断熱による節約を合わせて使うことで、上手くすれば電気代を2/3程度に抑えることも、夢ではなくなるのではないか。
 

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