2017年1月11日水曜日

汎光線時空間映像学


複数のカメラの映像から実世界の三次元像をコンピュータ内で作り上げる技術をそう呼ぶらしい。概念的には昔から提唱されてきたものだが、最近はそういう名前がついたそうだ。
これは、単にそういう映像を作り上げるだけではなく、例えばカメラに映っていないところを推定したり、光源を変えた場合のシミュレーションをしたりということを可能にする。また、ある一点の画像が複数の方向から撮影されるから、例えば玉虫色の再現も可能になる。他には、動物の骨格を推定するとか、物体の重量及びその分布を推定して動きを予測するようなことも考えられる。
これを応用することで可能になることにどんなことがあるか。
  1. カメラの死角にあっても、そこで何をしているのか、何があるのかを推定できる。万引きの仕草、火元の特定など。
  2. プロフィールでごまかしたとしても、芸能人の身長や体重を割り出せる。
  3. スポーツにおけるフェイントをリアルタイムで見破る。
  4. 映画の撮影で、1パターン撮っておけば後で幾らでも修正できる。カメラアングルから役者の表情、動きの修正、服の着せ替え、メイク直しまで。
  5. 誰でも簡単にマトリックス遊び(ビュレットタイム)ができる。
  6. 極端に被写界深度の浅い映像を作り出すことができる。薄い、あるいは極度に小さい物体の内部構造解析などに利用できる。
  7. コンサートやスポーツ中継などで、自由に好きな位置、好きな角度から鑑賞できる。例えば見る度にイメージの違うプロモーションビデオが作れる、好きな選手の視点で鑑賞する、など。
一見難しい技術ではあるが、特殊なハードが必要なわけではない。今では多数の(例えば百台)カメラが必要だが、そのうち3つ程度で済むようになるかも知れないし、あらかじめ設置してある監視カメラから借用するようなこともできるようになるだろう。ソフトにしても、そのうち素人でも簡単に使えるように改良されるだろう。意外と実用化は早いかもしれない。

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