2017年1月10日火曜日

エンジニアリングウッドハウス


エンジニアリングウッドとは、木をベースとした人工建材を指す一般用語だ。木材を細かく砕き、樹脂と混ぜて固めるのが一般的で、代表的にはウッドデッキなどに使われている。端材の有効活用ができ、また木材のリサイクルとしても有用である他、シロアリに喰われにくい、品質が安定している、木と同じように加工しやすい、割れやすい木目が存在しない、反らない、工作精度が高い、中空にできるなど形状の自由度が効く、などの特徴を持つ。ただ、知る限りでは構造材(つまり柱や梁として使える)としては認められていない。
これは勿体ないことだと思う。木よりむしろ品質は安定しているのだから、一定の条件を満たすエンジニアリングウッドは構造材として許可されるべきだと思う。
さて、昔からログハウスには興味があった。壁、床、天井、全てを木で作る、つまりは同じ材質で作れるのなら、補修も解体もリサイクルも簡単にできるからだ。だがログハウスは自然の木を使うので、乾燥に伴う収縮が大きく、隙間ができたり壁が下がってきたりという不具合も生じる。断熱性も最新の断熱材には大きく劣るので、分厚い壁が必要だ。そこで考えたのが題記の家だ。
構造材は従来通りの木でよいが、それ以外の壁、床、天井は全てエンジニアリングウッドで作る。また断熱材としては、パルプファイバーを使用する。壁材としても、発泡エンジニアリングウッドを使えば木よりも断熱性が上がる。
こうすると、全ての建材は木とプラスチックで作られることになるため、リサイクルが可能になる。シンプルな構造のため、DIYでの改造も簡単だ。例えば、壁に穴を空けても隙間を埋めるにも、充填剤はウッドパテを使えばよい。
もう一つ考えられるのは、正にログハウスをエンジニアリングウッドだけで作るものだ。こちらは発泡型の角材を使い、同じように重ねていく。こちらは本当に釘すら使わず、パルプファイバーも使わないので、単一素材だけで完成する。本物の木と違って収縮しないし加工精度が高いので、隙間はできない。また断熱性も高いので壁も薄くてよいし、重量も軽くなる。
懸念は強度と難燃性くらいだが、どちらも事前に計算や工夫は可能だ。こうなれば余計な廃材が出ないし、建材の種類も相当減らすことができる。リサイクルも可能だから、今のエンジニアリングウッドが高くても、量産効果は直ぐに出てくると思う。

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