2017年7月18日火曜日
脳インターフェース
DARPAが小型で並列性の高い双方向脳コンピューターインターフェイスの開発に6500万ドルの研究資金を提供
既に脳障害や四肢麻痺を起こしている人にとっては福音であろうことは想像がつく。この記事では「神経インプラント」と言っているが、脳手術は確かに普通にできるようになってきているけれども、さすがに健常者の頭に穴を空けるのは抵抗が大きい。
皮膚の下に埋め込む電極のようなものならまだ抵抗も少ないだろう。電気刺激は今でもEMSや低周波治療器が行っているが、他にも光トポグラフィーのような技術もある。これを合わせ、頭皮下に多数のLED、フォトダイオード、電極の復号回路を埋め込んでおいて、無線給電と通信を兼務する帽子を被ると作動するような仕掛けはどうだろうか。
脳の特定部位の活動の情報を得るには光トポグラフィーを使うが、頭におけるセンサの位置が固定するため、AI学習によって精度を恒久的に向上させられる。特定の動作をして脳の活動部位を測定することを繰り返す、というものだ。また、多数の電極の電位を制御して、脳の特定の部位を刺激することに関しても、同様の精度向上が期待できる。何れも頭皮に埋め込むことによる効果だ。
従来の光トポグラフィーでは、せいぜい感情や脳の活性化という程度しか検知できなかった。学習がどの程度できるかによるけれども、何を考えているかをもっと精度高く検知できるなら、例えば口に出さず頭の中で喋ることでコンピュータに指令を出したり、逆に脳内で音声を再生したりすることもできるようになるかもしれない。
その原理は、耳からの神経刺激を騙してやることになる。耳に「あ」という音を聞かせてやって、それと同じ神経興奮を電気刺激で出してやれば、「あ」と聞こえるはずだ。EMSで筋肉を騙して動かすのと、原理的には同じである。そしてそれが更に発展すると、視神経を刺激して映像を見せるようなこともできるかもしれない。
これは無限の可能性を秘めている。例えばカナヅチの人がいきなり泳げるようになる、転倒したときに勝手に受身を取る、嚥下困難を解消する、といった健康・安全面から、スポーツ選手の能力向上、高度なナビゲーションなど、様々な応用が考えられる。
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