記憶の宮殿というのは、古典的な記憶術の一つだ。詳細はWebに委ねるとして、この「記憶の宮殿」を造るには最初の取っ掛かりが大事で、基点とする場所の選定や語呂合わせの手法などにはコツがある。これをVRと反復学習で補助してやることができないだろうか、と考える。
まず、基点となる家を3D撮影する。これはスマホのカメラをぐるっと廻して撮ることができる。これをVR空間にまず作り上げる。室内のものを3D分析して、家そのものと家具、たまたま置いてあるモノなどに分け、不要なものを取り除いて基礎空間を作る。
記憶を置く場所として更に先に進む場合、例えば引き出しを空けると云々、隣の部屋に行くと云々、というのは、更に同じ工程を繰り返して作る。この際、リアルなものでなく、あらかじめ用意した仮想的な部屋や引き出しをはめ込むこともできるようにする。
次に、覚えたいものから連想するイメージの自動作成を行う。例えば、部屋の右の壁にはアマゾンの密林の写真が飾ってあって、その写真には密林以外にも何か写っている、それはamazon.co.jpへのログインパスワードの語呂合わせだ、という具合だ。
アルファベットや数字に相当する様々なオブジェクトをライブラリとして提供してやるのがソフト側の役目で、それをどう配置するかは自分で行う。その後VRで見て、イメージを定着させる。もちろん自分で素材を作ってもよい。また、短いセンテンスからそのオブジェクトを自動作成する機能も欲しい。例えば「ずぶ濡れの太った人が怖い顔で手に「XX」という本を持っている」などという文章をタイプすると、そのイメージが現れる、という具合だ。
本物の記憶の宮殿との違いは、忘れてしまったとしてもそのイメージを何時でも見られる、ということ。また、忘れそうになるタイミング(忘却曲線)を利用して、再度VR映像を見るよう促され、覚えているかどうかのテストもできるようにしてやる。
これにより、初心者がカンタンに記憶の宮殿を導入できる。欠点として考えられるのは、そのVR空間を人に見られたり、サイバー攻撃で盗み見される危険だ。これを防ぐには、最後に数文字付け加えるマジックワードを別に覚えておいてこれは記憶の宮殿には入れない、複数の場所に分散して置いておいて合体させる、文字をずらしたり入れ替えたりするルールを別に持っておく、などが考えられる。
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