2017年7月19日水曜日
有償アプリとしてのチケット
チケット高額転売、マイナンバーカードで阻止 総務省とぴあが検討
この手の話で以前考えたのが、「有償アプリとしてのチケット」だ。
電子チケットを扱うアプリは山のようにある。だがこれらは百花繚乱、且つ個人情報を登録する必要がある。支払手順も複数あり、クレジットカード番号入力などもある。沢山のチケットサイトにこれらを一々登録するのは大変だし、中には怪しいところもある。
これに対し、初めからGoogle PlayやApp Storeで販売してしまえば、この問題は解決する。チケットサイトに個人情報は渡らないし、支払はアプリストアの元々の支払い手段を使えばよい。転売、譲渡、機種変更等は、アプリの機能として適切に実装すればよい。例えば転売なら、アプリ間でのみ可能、購入値でのみできるようにすればよいし、決済はアプリストアのウォレットを使えばよい。
従来のチケットソフトと何が違うかというと、サーバ側には誰にチケットが渡ったのかの情報が残らないところだ。暗号鍵は残せるので、出されたチケットが本物かどうかは判断できるが、失くしたチケットは探せない。ローカルに保存されるため、ウィルスで消えたり、機器が故障したり電池切れの時に取り出せない、などのトラブルは予想されるが、この救済はしないと割り切る。また、有償アプリと言ったが、実際にはアプリは無償で、アプリ内購入を利用するようにした方がシステム的にはすっきりするだろう。
マイナンバーカードで運用する際の最大の欠点は、マイナンバーカードが必要なところだ。マイナンバーカードの発行はえらく手間で、カネも時間も掛かる。また、当然ながら住民票のない人(短期滞在外国人、住所不定など)には発行されない。需要は中高生が中心だろうから、親の許可も必要だ。マイナンバーカードをその世代が、しかもそんなところに(一斉に!)持ち込むこと自体、大いに危険と言えるだろう。一方でこちらの方式は、スマホを盗まれるのと同じリスクにしかならない。
欠点らしい欠点と言えば、スマホがないと話にならないところだ。だが同じくその世代は殆どがスマホを持っているし、もしなくても複数枚購入を認めれば、誰か一緒に行ってくれれば済む。また、この仕掛けでは携帯回線契約なしでも使えるので、中古の白ROMスマホを1台調達すれば済む。後はフリーのWiFiを探してアプリをインストールし、その場でチケットを買ってしまえばよい。クレジットカードを持っていなくても、ストアの金券はコンビニで買える。アカウントは必要だが、個人情報はデタラメを入れてもよい。これなら外国人でも使えるし、海外のスマホでも問題ない。
コンサートに行こうかという輩が中古のスマホ一つ買えないとも思えないが、セキュリティのためにわざとそうすることも可能だ。コンサート用にMVNOの極安SIM(一番安い通信専用)と中古スマホを買っておいて、アカウントもそれ専用にしておけば、盗まれても被害は最小限に抑えることができる。
考えるほどに、ぴあ案よりも遥かに良いような気がするのだが、少し自惚れ過ぎか。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル
VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...
人気の投稿:
-
性善説と性悪説、どちらを取るかと言えば、やや性善説、だろうか。 子供の成長を見ていると分かるのだが、基本的に子供は善だ。だが、同時に自分勝手なところもある。人の持っているものを欲しがり、場合によっては喧嘩してでも奪おうとする。だがこれは「悪」と言えるほどのものではない。 ...
-
http://techon.nikkeibp.co.jp/real/project/025.html 水と混ぜるだけでできるセラミックスで、圧縮強度、曲げ強度、引っ張り強度、接着強度、耐食性、とあらゆる面で優れているのだそうだ。また、混ぜ物ができるので、その特性をさらに...
-
CAS冷凍 については何回か書いているのだが、いわゆる冷凍睡眠にこれを使えないだろうか、と考えた。 不治の病を未来の医療に託すとして冷凍睡眠(実際には死んでから凍っているのだが)している人は居るし、火星程度より遠くに行くとなると冷凍睡眠の実用化は必要になるだろう。「20...
-
フリーズドライには、戻したときに食材の食感が変わってしまう欠点があった。代表的には、豆腐が高野豆腐になってしまう。じゃがいもがスカスカになってしまう。葉物野菜はしなしなになってしまう。これらの欠点を、「 CAS冷凍 」によって補うことはできないか、と考えた。つまり、冷凍には...
-
骨梁とは、骨の内部に存在する網の目ないしはスポンジのような構造のことだ。この構造によって、骨は頑丈なのに軽量でいられる。類似の構造としてはアルミ発泡材があるが、あれはどちらかと言えば消音や軽量化が目的であり、骨のような(建築用語で言うところの)構造材としての用途とは少し違う...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
http://www.reconstruction.go.jp/topics/m18/04/20180409160607.html 復興庁が出した、東日本大震災における復興支援の報告書だ。 ざっと読んだが、よくある役所の成果報告書という感じで、タイトルからして「事例...
-
http://japanese.engadget.com/2017/03/28/ai/ これは、上の記事への反論である。 記事の流れについては先のリンクを読んで頂ければと思うが、大きくはその結論として①AIには想像力がない(苦手)、②日本人には世界に稀に見る想像力...
-
ソフトによっては機能が多すぎて、メニューの中を探すだけで一苦労、ということが増えてきた。画像編集、CADなどは特にそうだが、ワープロ程度であっても既に充分に多い。一度も使ったことのない機能も多々ある。 ソフトによってはメニューがカスタマイズできるものもあるが、その範囲は...
-
電線の地中化が遅々として進まないそうだ。 電線を地中化できない最大の要因はコストだろう。よく「予算が無い」などと言われるが、その本質は「それだけの予算を掛ける価値が見出せない」ということだ。地中化の主目的は防災だが、普段のメリットがせいぜい景観くらいしかないことが、...
0 件のコメント:
コメントを投稿