2017年7月27日木曜日

仮想空間の標準化


先日、

https://cluster.mu/

というサービスが始まった。以前流行ったSecondLifeと比べてみると、前者はロボットに毛の生えたようなアバターしかないのに対し、後者は実にリアルなアバターを使っている。アメコミと日本のマンガの違いを反映しているようで面白い。

SecondLifeは日本では廃れているが、海外ではそれなりに継続している。改めてSecondLifeが流行るかどうかは不透明だが、個人的にはGoogleなどが新たな仮想3D空間を発表して一気にそれらを取り込んでしまうのではないかと考えている。
それは、以前にも

https://spockshightech.blogspot.jp/2017/05/blog-post_27.html
https://spockshightech.blogspot.jp/2017/04/blog-post_17.html

などで夢想した通りだ。これらが従来のプラットフォームと何が違うのかというと、
  1. 他の人が見える、逆に言えば自分が何をするかは見られている
  2. ローカルにソフトをインストールする必要はなく、そこに「行く」だけでよい
というところだろう。Googleはもちろん、何処に何があるかを知らせる案内板、ないしは地図の役割をする。これは、URLのような無味乾燥なものを、物理世界の概念たる座標ないしは住所に当てはめ、直感的に分かりやすくするものと言える。

URLには横の繋がりがなかった。つまり、aaa.comの隣はaab.com、というイメージはなかったわけだが、住所や座標にはこの概念がある。自分の敷地の隣に何があるかが見える、大体の住所が分かれば見回して探すことができる、というのが新しい体験として得られるわけだ。

仮想空間の特性を生かして、色々な町を作ることもできる。例えば「リアルな国・地域のイメージ」「類似の商品を扱う比較サイト的な町」「XX特集として期間限定で出現する町」「ショッピングモールのある店に入ると中がとんでもなく広い」「言語の自由な切替」「アバターの存在を、他のアバターから隠したり匿名化したりする」などだ。

URLを叩く、間違って違った文字を打ってしまう、という心配がなく、自宅から出てこの道を行き、この道路に沿って進めばそこに行き着く、というのは、ネット空間への敷居を下げる。また、町への出店を審査できるようにすれば、危ない場所はここ、と特定できるし、町内会や巡回パトロールのようなことも地域単位でできるだろう。

単純なWebと違ってデータ量も多いし、ローカルでのコンピューティングパワーも必要になるため、そう簡単には実現できないけれども、何れはこういう時代になるのではないかと思う。

この際、例えばGoogleとBingで違う空間を作ってしまうと混乱してしまうから、それだけは避けなければならない。URLの場合は階層的な文字のルールだけだったが、これを3D空間で規定するとなると、とんでもなく多くのルールが必要になる。できれば野放図に作られる前にきっちり標準化してほしいのだが、どうなるだろうか。

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