2017年8月15日火曜日

エスカレーターの片側を空けるべきか


自分が小さい頃にはエスカレーターを歩く習慣はなかった。片側を空ける習慣ができたのは最近のことだと思う。

これについては論争があった。第一に、そもそもエスカレーター自体が歩く前提で作られていないからダメ、ということ。これは東京ビックサイトの事件で有名だ。第二に、病気や怪我などの影響で、どうしても反対側に立たざるを得ない人はどうするのだ、という問題。第三に、全体効率の問題。一部の急ぐ人に向けて空けておくよりも、詰めて立つ方がスループットは良い、という話。また、空けるのは右か左か、という問題。

空けておくべきだ、という側の論点は二つ。第一は急いでいる人に道を譲る。第二は全体効率が良くなる、という主張。これは上の主張と矛盾するが、駅などでは確かにこの方が効率がよい場合もあるだろう。これについて、色々な人が色々なことを言っている。だが、積極的に空けるべきだ、と言っている人は少ないようだ。T.P.O.をわきまえて判断する、というのが多くの人の意見だろう。

だが、それでもトラブルは継続的に起きている。それについてもう少し深く考えると、そもそも空ける意味は「他人に気を使う」ことだ、ということが分かっていないのではないだろうか。

トラブルのパターンは、自分は急いでいるのに道を塞いでいる人への文句と、皆は空けているのに自分の主張(歩くべきではない)の下に自分だけわざと道を塞いでいる人、に分けられる。この共通点は、何れも「自分の主張が強く他人のことに気を使っていない」ことだ。

前者の場合、道を塞いでいる人が病気や怪我ではなく、単に気が利かない人、子供であるパターンもある。もし後者であるからと言って、それが強いマナー違反であるわけではない。論争があるくらいだから一方的な常識ではないのだ。後者の場合、件の事件が頭にあるのかもしれないが、大部分の人が片側で止まっている状態であればその心配はない。

どちらであっても感情的に腹は立つかもしれないが、文句を言うほどのものではないと思う。降りるまでの高々数十秒すら我慢できないというのは(トイレが近い場合を除いて!)大人気ないというものだ。ここで最初の問題に立ち返ると、結局「他人に気を使う」ことだから、細かい理屈はどうでもよく、「周りに合わせる」でOKとなる。上のT.P.O.とは似ているようで少し違う。(自分の考える)T.P.O.に合わない形で流れていたとしても、それに従うのが正しい。そしてもちろん、事情のある人(病気や怪我など)は堂々と道を塞いでいて良い。

なお、電車で入口付近に立って頑張っている人には文句を言って良いと思う。

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