2017年8月22日火曜日
LPWA緊急通信網
低消費電力(20mW)で低速(80bit/sec)だが長距離(100km)通信ができる、といった通信の規格の開発が盛んになっている。IoTシステムの通信手段として注目されている。
様々な応用が考えられるが、携帯電話網がない山間部や海などでも通信できるから、防災用途は注目される。例えば登山や救命胴衣に付けることを義務付ける、などは考えられる。
100km間隔でLPWA基地局を設置することは、携帯電話基地局を設置するよりは簡単だろう。LPWA専用のSMSを設定し、そこを通す通信について一定の(できれば法的な)制限を掛けてやることを考える。緊急地震速報などの緊急通報(ブロードキャスト)と、SOS(遭難など)を最優先で通し、その情報がない場合のみ他の情報を通す、という仕掛けにしておく。
これには二種類の機器が考えられる。一つ目は、大容量の電池を持つ大きめの装置で、GPSが常に稼動している。場所を定期的に通知し、それが途絶えたことをもって遭難とみなす。もう一つは小さなもので、電池容量も小さい。こちらもGPSを内蔵しているが、普段は動いていない。SOSボタンを押すことで初めて作動し、救難信号を発信する。また、一定の信号を受信することで作動し、場所を通報する。
前者の代表としては、雪崩ビーコンやパラグライダーなどの危険スポーツで、SOSボタンを操作する暇がないことがあり得る、且つ十分に準備ができるもの。後者は簡易的なもので、簡易的な登山やキャンプなどを想定したものだ。ここでは後者についてさらに考えてみる。
簡易的なものと言っても用途は様々で、恐らく形状も様々になる。最初の形態は、スマホに内蔵する、ないしはスマホと連動するタイプだ。操作はスマホ画面から行うが、通信をLPWAで行う。スマホとはBluetoothないしは有線(USB)で繋ぐ。これなら、携帯電波が届かなくても、SMSで通信をし続けることができるので、携帯回線の延長として使える。
次は単独で動作するものだ。衛星電話用で似たようなものは存在するが、SOSスイッチを入れることで指定のSMSを送信する。ペンダント型、時計型などが考えられる。これは登山や探検などを想定する。
三つ目はSOSスイッチを持たない埋め込み型。これは特定の通信を受け付けることによってのみ動作する。子供のランドセルや徘徊者の靴などに埋め込む。あるいは盗難されて困るもの(車など)に取り付けておく。いない(盗まれた)ことに気づいた人が操作して場所を突き止める。これは緊急通報を受け付けない。
何れも基地局が存在することが前提ではあるが、もし基地局をプライベートで建てられるのであれば、直ぐにでも欲しいものだ。もちろん公的な期間でも検討してほしい。
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