2017年8月9日水曜日
フォトフレームTVとQi給電壁面パネル
サムスンから、テレビを見ないときは絵を表示しておくTVが登場した。
http://techable.jp/archives/59011
ディスプレイが液晶なのか有機ELなのか、また音はどこから出るのかが分からないが、額縁が木でできているというのがよい。ある程度以上薄く軽ければ、このようなものを複数壁に掛けておくのも悪くない。
欧米にはよく、フォトフレームだらけの壁というのがあるけれども、あれと似た感覚なのかもしれない。動画でなくとも、音が出なくとも良い、映像もWiFiかSDカードに入っていればよい、あるいはリフレッシュレートが15Hzでもよい、輝度もそれほど要らない、など、壁掛け前提であればディスプレイの作りや要求もかなり変わってくる。
気になるのが電源供給と価格だ。さすがに電池駆動は難しいだろうし、もしそうしたとしても交換が大変だろうが、ACコードを這わせるのは美観上少し抵抗がある。例えばUSB-Cで繋がるとか、できれば無線給電があるとよいのだが。
以前TRONの坂村健氏が提案した、「ECCパネル」というのがある。単純に言えばパネルに電源と通信を内蔵したタイル式のパネルで、壁床天井の何処にでも電源と通信を供給できるものだ。必要に応じてパネルを抜いて機器を挿入する、というのがその使い方だ。できればこれを使いたい。今時なら通信は無線で可能だから、電源供給だけできれば目的を達成することができる。
これに類似するものとして、ライティングレール(配線ダクト)と呼ばれる商品がある。例えばこんなものだ。
http://www.garageland.jp/garageland/lighting_l.html
これは天井など上を想定していて壁を想定していない。実際、電源を通したダクトを床に着くまで延ばすと、虫が入り込んだりカビやホコリが溜まることでショートする危険がある。このため、単純にライティングレールを埋め込んだだけではダメだ。
そこで、こんなパネルを提案する。それはある程度厚みがあり、例えば2cm程度とする。パネルは床から90cm程度の腰壁相当部分と、それより上の90cm相当に分割され、更にその上は普通のパネルになっている。下の二つは表面カバーを外せるようになっており、その状態では縦横に溝が走っている。またパネル内数箇所に機器収納スペースがある。
この機器収納スペースには、専用の無線給電器をはめ込むことができる。溝はそこにACケーブルを這わせるものだ。表面カバーは薄いので、その上に充電器を合わせれば給電ができる。また、この給電器と充電器は磁石で位置合わせを行えるようになっている。溝と機器収納スペース以外の部分は、木ネジなどで重量物をぶら下げることができる。
ポイントとなるのは、ACコンセントにしても無線給電器にしても、パネルの薄さに納めることだ。無線給電器は当面はQiとなるだろうから15Wしか供給できない。このため、ACプラグを直接出したいところだが、この薄さではコンセントが差せない。このため専用のコンセント(下から挿す)を用意したり、USB PDなどとする必要はあるだろう。
このパネルにするメリットは、壁の何処にでも給電できるというところだ。それは例えば、天吊プロジェクタ、時計(電池式でなく大電力を使えるもの)、フォトフレーム、テレビ、オーディオ、鏡ディスプレイ、監視カメラ/インターホンディスプレイ、緊急地震速報通報器、BDプレイヤー、電話、無線LANルータなど、従来はテーブルや床にラックで置いておいたものの殆どが対象になる。スマホやタブレット、PCの充電台も壁に作れる。ケーブルが醜く這い回ることがないのでホコリも溜まらず、見た目もすっきりする。Fax、プリンタ、スキャナはちょっと無理か。
考えてみれば、これはOAフロアの壁版だ。どこかが既に作っていてくれても良さそうなものだが。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
富士山噴火への備え・再考
以前にも https://spockshightech.blogspot.com/2017/10/blog-post_2.html という投稿をしたことがあるのだが、もう少し状況を詳しく知ることができないか、調べてみた。 首都圏の対策としては、『首都圏における広域降灰対策...
.jpg)
人気の投稿:
-
「人はなぜ悪に憧れるのか」と「人はなぜ正義に憧れるのか」をGoogle検索してみたところ、前者は素直にヒットするのに後者はひねくれたサイトしかヒットしなかった。どうやら人は悪に憧れているようだ。 前者のサイトを読んでいると、様々な解釈が出てきて面白い。だが、検索前に自分...
-
3.11で原発の危険を甘く見ていたように、次は噴火を甘く見ていたと後悔するかもしれない。今の知識を振り返ってみる。 過去の富士山噴火の規模を見ると、溶岩や噴石などの被害はもちろん近隣で発生するとして、広範囲に火山灰が積もる。予測によれば、関東でも数cmは積もる。この量で...
-
年金の制度を調べていて、なんと複雑で面倒なことかと辟易した。今ちょうど年金改革がされているけれども、現行のシステムを複雑にしているだけだ。年金に限らず、様々な社会保障制度が別の名前で呼ばれ、申請方法も異なり、審査も給付も別。ファイナンシャルプランナーや税理士、公認会計士などが必要...
-
一国における貧富の差が余りにも拡大して手が付けられなくなった時に、第二の通貨を発動する、という手が考えられる。お互いの使い方や交換に制限を掛けてやることで、第二通貨が貧乏人の間で主に廻るようにして、独立した(仮想的な)経済圏を作ってやるのがこの目的だ。 低所得層は第二通...
-
Googleがローカルニュース記事を作成するソフトウェア開発に資金を提供した 記事を見ていると窮余の策にも見えるのだが、考えてみるとむしろ好ましいのかもしれない。今まで、ローカルニュースは地方紙の領分であり、全国紙ではローカルニュースは1ページとか、ごく少数しかなかった...
-
ディーン・ケーメン氏が発明した浄水器「 スリングショット 」の原理は、いわゆる蒸留である。つまり水を沸騰させて水蒸気にした後、冷やして水に戻す。汚水と蒸留水の間で熱交換を行うことで効率を上げている。 日本では、防災用の浄水器としては中空糸膜や逆浸透膜が殆どだ。これと蒸留式には...
-
FacebookのAIが、英語を使いながらも人間に理解できない文法でしゃべりだし、そのAIが停止された、と言う話が話題になった。その会話を実際に見てみたが、確かに気持ち悪い。この気持ち悪さ、どこかで感じたことがある、と思って思い出してみたら、眉村卓の小説に度々出てくる「産業...
-
世の中の話題はAGIを通り過ぎてASIに進んでいる。AGIがGeneral IntelligenceならASIはSuper Intelligence、即ち人類を遥かに超えた知性ということらしい。 2045年にシンギュラリティが起きると予測したのは、人工知能研究の世界的権威であ...
-
以前にも https://spockshightech.blogspot.com/2017/10/blog-post_2.html という投稿をしたことがあるのだが、もう少し状況を詳しく知ることができないか、調べてみた。 首都圏の対策としては、『首都圏における広域降灰対策...
-
2025年7月30日、ロシアのカムチャツカ半島沖で地震が発生し、日本の太平洋側の広い範囲で津波警報、津波注意報が発令された。最大予測は警報地域で3m、注意報地域で1mだった。 電車は止まったところもそうでなかったところもあったが、都心で避難した人は皆無だった。警報が出てから半...
0 件のコメント:
コメントを投稿