2017年10月30日月曜日

ワイヤレス給電の未来


http://japanese.engadget.com/2017/09/19/30cm-pi-qi/

ワイヤレス給電は最初のQi以来あまり進展がなく、やきもきしている。実験では色々出るのに、製品になってくれない。そこへもってきてこのPiだ。

Qi互換なら普及も早いだろう。だが、Cotaの10mというのも侮りがたい。個人的にはCotaの方が魅力的だと思う。ワイヤレスというからには距離も重要だ。Cotaのトランシーバーはデカいが、あれは天吊にしてしまえばよい。そうなると最低でも真下の2m、斜めなら5mは欲しいところで、30cmというのはあり得ない。一方で、Cotaの送電能力は最大1Wと、Piの20Wに比べ余りにも少なく、これは厳しい。

市販されているような家電が全て無線にできるための条件を考えてみると、壁際コンセントの代替として30cm・200Wは欲しい。この200Wは冷蔵庫や洗濯機であり、エアコンは対象外だ。だがこれら大型家電は別に有線でも構わない。一度設置してしまえば滅多に動かさないだろうからだ。テレビが微妙だが、Blu-rayレコーダーと合わせてこれも有線でよいだろう。

無線にしたいもののなかで消費電力が最大のものはPCで、50Wあれば御の字だが、10Wでも何とか我慢できる。使用しない時間に充電すればよいからだ。だがその場合は、最低でも3mが必要である。30cmではダメだ。

遠くで電場や磁場を集中させるには、アレイアンテナを使って個々の出力や位相を調整する、またそれをリアルタイムで制御する必要がある。だがそんなことはとっくの昔にやっているだろう。恐らく問題は精度であり、またエネルギーが集中することで火事や火傷の心配があることだろう。10Wでも集中すればハンダが融ける。

精度の方は、搬送波の周波数を上げることがひとつの解決策になる。Cotaは2.5GHz帯だが、これをいっそ25GHz帯まで上げてはどうだろうか。それでも室内で使うには問題あるまい。またアンテナを広くとり、タブレットであれば裏面全面でくまなく受電するように分散すれば、エネルギー集中の問題は軽減される。

現在でもCotaは反射波を利用しているので、周波数が上がること自体は根本的な問題にはならないと思う。後は周波数帯の使用許諾が問題だが、まずは作ってみて動くことが実証されるのが先だ。そしてもしこの方式が可であれば、大型家電は面積も広いから、無線にできる可能性が出てくるというものだ。

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