2017年10月27日金曜日

「知らないこと」の齟齬


以前の投稿『「豊富」な未来』において書いた言葉だ。AIが作成する豊富なニュース記事、事実の提示などが普及することによって、一定の共通するデータを基にした議論が、何時でもどんなことでもできる社会、というものを考えてみた。

単純には差別偏見の類が減る、ということは言えると思う。例えば犯罪の発生数は、いつの時代でも増えていると感じがちだが、実際には減っているとか、外国人が増えると犯罪が増えるという感覚が、実際の犯罪発生件数や外国人比率が数字としてわかることで間違いと分かる、といった類の話だ。また、議員がよくやる「詭弁」の類もチェックされることになるだろう。

米国でトランプ氏が大統領になったとき、(詭弁どころではなく)あまりにも発言に嘘が多いので、新聞がこぞってファクトチェックをやり出したが、あれは人手で行っている。このため偏りや恣意の懸念が払拭できないし、トランプ氏以外との比較にもなっていない。あれを自動で、例えば発言のテキスト化と同時ぐらいに行うことができれば、世の中もかなり変わってきそうに思う。

従来、音声でコンピュータに尋ねられることと言えば、行先への経路や天気くらいだったが、この社会では、「誰それが今発言したことは本当か?」「それはどの程度重要なことか?」「根拠は何か?」「世論はどの程度指示しているか?有識者は?自民党支持者は?」といったことが尋ねられる。あるいは、テレビの字幕で「ホント」「ウソ」と表示される。為政者にとってはやりにくいだろうが、ウソで扇動されるようなことがなくなれば、世の中は少しは丸くなるのではないか。

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