日本のような狭い土地柄において空飛ぶタクシーを実用化するならば、翼を使うタイプでは困難だろう。もちろん広い土地のある田舎やちゃんとした空港があれば良い話ではあるが、これではタクシーと言うよりは安いチャーター便だ。
本当にちょっとした庭やヘリポートでも離着陸できるようにしようとするなら、ヘリコプターないしは多翼ドローンとなるが、前者は高額でありまた操縦者も人間であるので困難、つまり事実上はドローン型に限られる。
ドローンを前提とする発着場は、ヘリポートよりも規制が緩くなるだろう。これを仮にドローンポートと呼ぶことにする。ドローンポートはヘリポートより小さく、器材も少なくてよいはずだ。許認可も緩くなり、従って建設費も安くなり、数も多数作られることになる。
大雑把に言うと、空港とヘリポートは全国で各々百箇所程度しか存在していない。これに対し、個人所有のドローンポートを規格化して認める、更には物流専用の小型ドローンポートも作ることが可能だろう。そうすれば、数千数万、あるいはそれを遥かに超える数のドローンポートが作れることになる。
こうすると、人間による航空管制は困難だ。ポートを網として捉え、AIが発着許認可や指示制御を行うことで、行先を告げれば後は自動で目的地まで到着するような、全自動人流物流システムを考える方向性になるのではないか。
そこには、従来とは発想の異なる安全策がとられる可能性もある。幾つか考えてみると、
- トラブルで人口密集地などに落下するときに自爆することで破片を小さくし、安全性を確保するシステム。
- 同じくトラブルの際、ネットや粘着剤を発射して吊り下げ、安全に降ろすレスキュードローン。
- 複数のドローンが協調して指定ドローンを取り囲み、拿捕する、ないしは指定航路に押し戻すシステム。
- 落下に備えたエアバッグ、パラシュート。
- 周囲に送風機を備えたドローンポート。離着陸時の突風を軽減する。また、墜落時のショックを軽減する。
- 倉庫(ハンガー)直結のドローンポート。到着後そのまま飛んでハンガーに入る。
- ベルトコンベア式ドローンポート。コンベアに降りて自動で運ばれる。
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