2017年10月17日火曜日
歩行者無線給電
サイバーダインのような外骨格サポーターの電源に燃料電池を使うことを別途提案しているが、これには燃料電池の小型化が必須となる。燃料電池の技術進歩の速度は遅く、満足できるものが出るまでには相当の時間が掛かるだろう。そこで、別の方法を考えてみた。それが歩行者給電である。
言うなれば、歩道に向けたワイヤレス給電だ。但し、実用化されているワイヤレス給電の到達距離は短く、WiFiルータのような設置法では無理がある。特に、外骨格サポーターの場合は消費電力が大きく、市販のQiでは心許ない。むしろ、自動車用に検討されているものを小型化する方が現実的だ。つまり、地面に埋める形態である。
自動車に使われる走行給電はkW級だが、歩行者の場合は100W程度で充分である。歩道に沿って給電素子を埋め込み、給電する。自動車の場合は30cm程度の距離があれば事足りるが、歩行者の場合は腰の辺り、1m程度あれば嬉しい。そうでなければ靴の裏に受電器を設置することになり、ケーブルが少々邪魔だ。
繁華街、(会社や学校の)自席、自宅、待ち合わせ場所などに各々設置しておけば、1時間程度が稼働時間のバッテリを積むだけでも、途切れることなく一日中装着していられるはずだ。
太陽電池を道路に埋め込む試みがあるが、これこそ歩道無線給電にふさわしいと思う。その場で充電し、その場で給電すればよいので、余計な配線が必要ないからだ。
この機構は、外骨格サポーターを使わない人にとっても有用である。例えばセニアカーや電動自転車に同じ機構を組み込んでおく。スマホの充電に使う。持ち歩きの医療機器にも使える。ドローンも歩行ロボットも、同様に充電できるだろう。
歩道給電があるエリアでは、ドローンやロボットが途切れることなく活動できる。これを積極的に使うことで、巡回しながら何かしらの作業をするロボットが使いやすくなる。宅配や郵便だけでなく、例えば上水を届けたり高齢者を見回ったりといったことも、ロボットでやりやすくなる。これより、都心だけでなく僻地でも充分に検討の遡上に上るはずだ。
こう考えると、「無線給電」は、電気・ガス・上下水道・電話・通信に次ぐ新しいインフラとして認められてもよいのではないかと思う。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
ロボットシェアリング&困窮者向けジョブマッチングモデル
近い将来、AIやロボットが発達することで、労働者の仕事が奪われる事態が起きる。頭脳労働では一部業界に既に起きている(イラスト、音楽等)が、これが肉体労働にまで進んでいく。例えばレストランのフロアスタッフは既にタッチパネル注文や配膳ロボットにより侵食されており、他にも徐々に複雑な仕...
人気の投稿:
-
高市新総理がかつて主張していた「スパイ防止法」。巷でもスパイ防止法の制定を望む声は強いのだが、調べてみるとそんなに単純な話ではない。特に、世間のイメージと実態はかなり異なっていることが分かったので、ここでメモしておく。 まず、「スパイ防止法がないのは日本だけ」とよく言われて...
-
たつき諒氏の予言が話題になっているので、私も一つ予言をしてやろうかと思う。 2025年7月5日を中心とした前後1週間(計2週間+1日)の間に、日本の太平洋岸を震源とする、最大震度6強以上の地震は、起きない。 地震予知三原則である①地域の特定②時期の特定③強度の特定、何れも満...
-
古くは仮面ライダースナックやビックリマンチョコ、最近では万博パビリオンの時間指定チケットやマクドナルドのちいかわグッズなど、何かと話題になっている転売の是非について考察してみた。これももちろん生成AIを使って、なかなか面白い結論が出た。 最初は万博場ビリオンについて議論したのだ...
-
高市首相は安倍氏と同じ積極財政論者で、就任直後からその方向に舵を切っている。プライマリバランスゼロ目標を事実上反故にし、戦争でもコロナでもないのにいきなり17兆円もの補正予算を組んだ。ちなみに安倍総理が初年度に打ち出した補正予算は10兆円であり、それと比べても突出している。 こ...
-
世の中の話題はAGIを通り過ぎてASIに進んでいる。AGIがGeneral IntelligenceならASIはSuper Intelligence、即ち人類を遥かに超えた知性ということらしい。 2045年にシンギュラリティが起きると予測したのは、人工知能研究の世界的権威であ...
-
「生成AIはミーハーである」の回でも少し触れたのだが、生成AIの回答は一次的には誤っていることが多い。それを指摘してAIが回答を修正していく様を見て楽しむ、というのが最近のマイブームだ。 どういう指摘をしているのか、と自己分析してみると、興味深いことに陰謀論者との議論とあま...
-
生成AIを使って作成されたイラストに対する極端な非難が相次いでいる。そのどれもが、ちょっと行き過ぎに思える。例えば、事前にAIであることを知らせているもの、絵を描いている本人が確認し承諾したものまでも非難されている。なぜこんなに過剰な反応をするのだろう。単にノイジーマイノリティの...
-
一時期流行したベーシックインカムもいったん廃れたが、完全に潰れた訳ではなく、一部の市民や政治家は諦めていない。また何度も復活するだろう。そしてまた萎むだろう。 世間がベーシックインカムに反対する理由は主に財源と配分であろう。MMT信者のおバカ提案は論外だが、そうではない真面目な提...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
クルド人と地元の人たちとのトラブルに見られるように、日本で外国人排斥運動が起きている。 世の中は近年、融和より対立を好んでいるように見える。その代表は右翼対左翼で、トランプや安倍のような対立を煽る風潮の流れを汲んでいる。生活保護者への批判、女性女系天皇、憲法改正などでも同様の...

0 件のコメント:
コメントを投稿