2017年10月21日土曜日

規制の効果


出ては消える、繰り返し議論に上りつつなかなか結論が出ないことの一つに、暴力や性表現に対する規制がある。映画、ゲーム、書籍などにおいて、規制を掛けようとする側と阻む側の論争になる。

この論争が集結しない大きな理由は、学問的な背景を持たずに議論しているからだ。要は本当に規制が効果を持つのか持たないのかを、誰も調べていないのだ。

小規模な研究や片側の支援による(信頼できない)調査については幾つか見たことがあるが、何れも議論には不十分なものだ。だから、これに対する結論はただ一つ、「さっさと調査してみればよい」、それだけだ。

もちろん、公平かつ大規模な調査というのはそれなりにカネも時間も掛かるし、出た結論に対して反対側の意見の勢力からは異論も出るだろう。だからカネも時間も掛けた結果、やはりよく分からないままになる可能性は低くない。それは無駄なのだろうかと言えば、そうではないと思う。大した結果が出なければ、問題自体が大したものではない、どっちでもいい、ということなのだから。

個人的な意見としては、平均から著しく外れた極端な性癖の人たちを除けば、一定以上の極端な表現には生理的嫌悪を感じ、例え規制がなくなったとしても見ないと思う。全面解禁することで、そういった極端な人が起こす犯罪は若干増えるだろうが、母数が少ないので大きな影響はないと見る。

一方で全面禁止した場合は、平均的な人の欲望が昇華されない状態になるため、やはり犯罪は増えるだろうが、こちらは母数が大きいので影響は相対的に大きくなると見る。今の規制である「18歳以上」「15歳以上」などという制限は適度の範疇(本当に最適かどうかは分からないが概ね適正)にあり、大幅な増減をする必要はない。

日本にはないが、米国の銃規制なども意味は同じだ。調査してみればよい。こちらは生理的欲望云々とは少し事情が違い、犯罪と直結する話なので、正しく規制すれば大きな効果が出ると考える。あれで理解不能なのは、米国で提案されている銃規制は全面規制ではなく、登録制や事前審査をしようという話なのだから、「自衛のために持つ」はずの一般人に対してはさほど影響がないはずなのだ。それでも反対が多いというのはどういう意味を持つのか。修正三条がそれを認めないとも思えないのだが。

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