Amazonがドローンで配達をしようと試みをしているのは有名な話だが、考えてみれば何もドローン配送はAmazonだけの話ではないはずだ。個人がコンビニにモノを買いに行くのにドローンを使っても良いはずだし、クリーニングの引き取りに使ってもよい。もっと極端な話、郵便物を郵便受けからリビングのテーブルに運ぶのだってドローンでもよいのではないか。
数km毎に物流拠点を作り、そこから先の各戸へはドローンで運ぶというスキームができれば、世の物流は一変する。配達人が大きく減る、受け取りにいちいち部屋にいなくてよい、というところまで行く可能性は充分にある。
ここで考えるのは、そんな物流に向けた容器の統一案である。それが、1号缶(内径153.3mm、高さ176.8mm、内容積3100ml)だ。1号缶は、缶詰の規格としては最大級のものであり、国内と海外でサイズが一緒、また重量がそこそこなのでドローンで運ぶのに適している。
缶詰というメタファーを使う理由は、転がせるので重力を利用した運搬ができること、またボールのようにでたらめな方向には行かないこと、そこそこ頑丈かつ防水性防汚性がある点だ。専用の投入口を玄関や窓に作っておいて、そこから転がってs室内に入る、あるいはドローンが運んできたものを上から投入して、つづら折に転がって行って取り出し口に収まるストッカー、などというスキームを作りやすい。
まず、缶にはIDを振っておき、QRコードやRFIDとして遠隔から読むことができるようにしておく。缶の受け渡し用には、窓の一角(90×90cm程度)を利用して、室内外を缶が行き来できるようにする。この置き場所にもIDを割り振る。つまり、缶IDと場所IDが必要になる。場所IDには住所(GPSデータ)も必要になる。
新しく場所を設置したユーザは、まず場所IDとGPSデータをDBに登録する。これは、場所キットのIDをスマホで読み込んで、スマホのGPSデータを送るようにすればよい。場所自体にはQRコードが印刷されていて、ドローンはGPSに基づいて付近まで飛んできて、最終的にはQRコードと画像認識でその場所に缶を投下する。逆に、その場所に缶を置いておいてアプリで集荷を依頼すると、ドローンがそれを回収する。
ドローンは配送拠点までそれを運ぶ。配送先が近所の場合は直接運ぶこともできる。拠点についたら後は通常の物流と同様に扱う。運送料はアプリからオンラインで徴収される。
このスキームが整った未来では、様々な改革が起こるはずだ。例えば
- クリーニングの受け渡し
- 毎日の弁当
- 買い物
- 郵便物、宅配(小型のもの)のラストワンマイル(出す方も受け取る方も)
- 新聞
- 生協などの定期宅配
- 回覧板
- 新聞に頼らない独自系列のチラシ配布、タウン紙
- 診療後の薬の配達(先に問診する)
- ごみ回収
などが全てこれに収まる。自宅に訪問する人は、友人や親戚など以外ではほぼなくなるはずだ。
さて、缶にしなくてもこれらは出来るだろう、と言えば、定性的にはその通りだ。だが缶サイズで統一することは様々なメリットがある。これは別に説明しよう。
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