国の制度をどう設計するかは、国や国民の思想を反映していて興味深い。海外では同性婚を認めているところが増えているが、日本はまだその雰囲気がないし、夫婦別姓も、海外では当たり前だが日本では認められていない。教育無料化、税や控除・手当などもそうだ。国によって随分違う。
夫婦別姓などは、改姓により手続きが増え社会が混乱するマイナスの要素も見るべきだが、信念的な話ばかりでそういった損得の話が出てこないのが不思議だ。控除にしても、なぜ控除するのか、それが妥当な額なのか、というところで説明がなければ、その先の議論が噛み合わない。
心情的なものを根拠にすると、その時点で「人によって異なって当たり前」になってしまう。ではどんな視点で見るべきかというと、長期的な国の繁栄に貢献するか、というものになるのだろう。単純に言えば、税収の向上やGDPの向上に、(個別にではなく全体として)貢献するかどうかが判断基準になる。
その観点で言えば、夫婦別姓は特に関係ないからどちらでもよい。子供手当・児童手当、国民健康保険や年金等は、生涯に渡って稼げる額と生活コストが平準化できるので有効。教育無料化は国の知識レベルを底上げし、将来的なGDP向上に貢献するのでやはり有効だと言える。
同性カップルは、「密接な相互補助による公的支援低減」の効果はあるが、「子供を産み育てることで将来の労働力を育む」期待は(あまり)できないから、多少は控除を減じてもよいかもしれないし、子供を持つことに対しての控除を分離して設ければ良い、と言える。教育無料化や子供手当が充実していれば不要だろう。
相続の問題が残るが、そもそも相続税を払えるほど多額の相続が発生する同性カップルは殆ど居ないだろうし、(旧来の意味での)血縁は(上しか)いないのだから、遺言さえしておけば殆ど問題ない。また「法的に認められたい」というのは税収とは関係ない理由なので、同じくどちらでもよい、となる。
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