非常に極論ではあるが、可能性として考えておくべきことだ。だがそれほど悲惨な未来ではない。
それは、「職業としての農業の規模が、今より更に大幅に減る」ということだ。逆に言うと、「職業ではない農業の規模が増える」ということでもある。単純な話、自家栽培・自給される農作物が増える、というのがこの予測だ。
植物工場の進化がこれをもたらす。現状ではサニーレタスなど葉野菜が中心だが、豆や芋が自家栽培できるようになると、主に低所得者層でこれが普及する可能性がある。芋はカロリーベースになるので、急速に栄養事情が改善するポテンシャルがある。
一方で、中所得者層では葉野菜が主に栽培される。これは費用対効果が高いからだ。これらにより、栽培が簡単な芋豆・葉野菜の、職業としての生産量が減少する。残るのは栽培が難しい果実や根菜類、葉野菜でも大きいもの、穀類などとなる。但し穀類は、芋豆類がカロリーベースで進出してくるので、全体生産量としては減る可能性がある。
穀類が植物工場ベースになることは考えづらい。このためには低背化が不可欠で、要は大幅の品種改良が必要であり、数十年規模で時間が掛かる。樹木に至っては不可能に近いだろう。だが培養化や遺伝子操作など、可能性がないわけではない。たとえ六畳間一つ潰したとしても、家族四人の食料の、年間の半分の量でも作れるならば、そうする家庭は多くなるはずだ。
現状でも、日本のGDPに対する農業生産の規模はごく僅かしかないのだが、これが普及することによって、更に大幅に減少することも考えられる。また、大規模な畑が減り、田舎が過疎化する未来も想像できる。
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