2017年3月7日火曜日

CGの時代のVR端末


いわゆる「ゲームエンジン」が発達してきたお陰で、実写と変わりない精密なCGをリアルタイムで作ることが可能になってきている。映画のそれには及ばないにしても、プログラム等で使うにはもう充分な出来だと思う。従来の用途は主にゲームだったが、エンジン化(ライブラリ化、モジュール化)によって、他の分野にも使えるようになってきている。
業務プログラムにゲームのCGなんて使わないよ、と思うなかれ。既に多くの分野で使われている。例えば医療、建築、自動車設計、教育・研究、自動運転、製造業、ライブアート、など等。更には裁判所(証拠資料作成)、旅行業(体験)、不動産業(VR)など。ゲーム以外でも用途は色々あるものだ。
単に書類で閉じる役所仕事なら不要だろうか。そこで考えるのが、OSとしてそれを使うことはあるのか、ということだ。
昔、ウィンドウの次は3D空間だ、ということで、OSに載せる3D-UIが幾つか作られたことがある。まあ、ウィンドウが斜めに見えたり、重なりに奥行きが見えたりというものだったのだが、何れも流行らなかった。その原因は幾つか考えられるが、エンジンが貧弱だったこと、CPUが貧弱だったことは言えるだろう。今なら再度考え直してもよいと思う。
その中でも、デスクトップ(本当の意味での机の上)を模したモデルは再考に値する。机の上に書類箱があり、壁にはカレンダーがあり、・・・というのを模したものだ。VRゴーグルを付けてこの空間に入り、必要ならその空間を移動して情報を探し、テレビ電話を掛けたり、Webページをそこ等辺に浮かべておいて、参照しながら仕事を進める、という形態はあり得ると思う。マイクロソフトのHololensは、空中にウィンドウを幾つも配するUIを作っているが、まあこれもありだろう。競って淘汰されていけばよい。
だが実際のところ、仕事中にVRゴーグルを着けるのはかなり違和感があるので、ノートPCを立体視にするのがよいと思う。テレビで使われる3D技術と同じようなものをノートPCに入れた上で、それを前提としたOSを動かすというわけだ。画角が足りないと思えば、もっと視点を近づけた上で、レンズで焦点距離を補正してやる。例えば顔の前5~10cmまで近づけてやれば、7インチでも充分に広い空間を見られるだろう。そのためのスタンドも用意してやる。
この場合、キーボードやマウスのようなUIは端末に接続できないので、別に用意して無線でつなげてやるか、ジェスチャーやトラッキングパッドのようなものを使うことになるだろう。
遠い先の未来には、違和感がないほど小さいメガネ型のHMDができるのかもしれない。だが現在のところ、そこまで小さくできるかどうかは分からない。どちらが主流になるのか、今から注目している。

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