2017年3月31日金曜日

防災メガフロート


大地震が起こるたびに、客船を持っていて宿泊させる、という話が起こっている。結構なことだが、客船はそれなりに高いし、動かないのだから客船である必然性もない。メガフロートを防災用に持っておいて、その度に使ってはどうか。
ヘリポートと倉庫、接岸部、港、居住区を有するメガフロート作っておき、震災が起きたらこれを曳航して、近場の港に係留する。
現地に着くには数日~1週間程度は掛かる。これは初期避難と行方不明者捜索がひと段落し、本格復旧や仮設住宅の設営が始まる前、というタイミングである。ここでメガフロートに移る。地震からも津波からも自由になるので、余震が幾らあろうとも安心して過ごすことができる。客船より格段に揺れが少ないため、船酔いもないものと思われる。
避難所や仮設住宅と違って常設できるので、2階建てにする、集会スペース、診療所、店舗、運動場などと欲は出るだろうが、これは収容力と快適性とのバランスで考える。また、色々なバリエーションがあってもよい。居住性は高く、不足する機能も少なくできるので、被災者のストレスも少なくなる。例えば理髪店やマッサージ店などを備えておいて、被災者に運営してもらうようなこともできるはずだ。また、始めから発電機や燃料タンクを備えておけば、冷暖房煮炊きができる。広いスペースで子供が遊びまわることもできるだろうし、ボランティアも快適に寝泊りができる。
メガフロートの建築費は一平米当たり10~13万円と言われているが、これはうわものが何もない場合(ヘリポート、船着場)だ。居住区はもっと高いだろうから、30万円で計算するとして、各々1万平米(100x100m)で考えると、物流部は13億円、居住区は30億円、合わせて43億円となる。熊本地震向けの補正予算は7780億円だったそうだから、そう激しい額ではないように思う。
もっとも、ハコモノであるから維持管理費が掛かるので、死蔵するのはもったいない。普段は何かに使っておいて、非常時に持ち出すというのが常道だろう。物流倉庫、運動場、展示会場、市場、及び既存のそれらの拡張部として、という使い方が考えられる。それらがある程度ペイできるようなら、無理に予算を付けずとも運用できるだろう。

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