2018年4月30日月曜日

ヒアリと人間の生物学的進化


世界の侵略的外来種ワースト100とかいうものがあって、ヒアリはそれに該当するらしい。先日、日本で初上陸が確認された。

外来種というのは、近年では貿易貨物に紛れ込んでくるから、本来は行けるはずのない遠方にまで侵出して被害をもたらす。このニュースを見ていて思ったのは、アメリカ、オーストラリア、南アフリカ、ニュージーランド、カナダ、これらの国々の「人間」種としての外来種、つまり白人の侵出だ。

多くの場合、そこにいた現地人(種)を蹴散らして絶滅、あるいはその寸前にまで追い込み、膨大な土地を自分のものにした。その多くは武器をもって実際に殺したり脅したりした。これって、侵略的外来種と言えないだろうか。

まあ、日本人だって言えた義理ではない。南方進出、日韓併合、満州国、樺太、沖縄北海道、何れも「侵略」だと言える。このうち沖縄北海道はまだ侵略したままだ。他は返還したが、これだって反省して変換したのではなく、戦争で負けた結果として返還したのだから、別に褒められることではない。

ただ、それは非難されるべきなのかと言えば、必ずしもそうではない。強い種が生き残り、弱い種が滅ぼされるのは生物の基本、弱肉強食に則っている。日本人が失敗しアメリカ人が生き残っているのは、アメリカ人の方が強い、というだけのことなのかも知れない。それにもっと根本的なところで、他の生物を圧倒して人間が地球を侵食していると言える。

ただ気になるのは、この「進出」(侵略)の成功は、必ずしも生物学的な強さによるものではない、ということ。確かに米国人の多くは日本人より体格が良いが、それを使って進出したわけではない。武力や政治力といった知力とその派生物がもたらしたものだ。

その何がいけないのか。他の外来種は、凶暴だったり毒を持っていたり、といった、生物学的な強さで進出(侵略)してきたわけだが、人間は弱いまま広まっていった。つまり、人間以外の生物が生存競争によって生物学的にどんどん強くなっているのに、人間はそうなっていない、しかもそうなっていないのに地球を覆いつくすほど繁栄しているところだ。

つまり、人間の生物学的進化が止まって(遅々として)いる間に他の生物が進化して、ある日気がついたら猿の惑星になっていないだろうか、つまり他の生物に襲われて絶滅させられてしまわないだろうか、というのがその心配の主旨だ。

もしそうなれば、人類とて安泰ではない。人間は世界中に一杯居るし、生物学的には弱いから、餌としては申し分ない。伝染病などは度々人類を脅かしているが、こういったものがある日突然に(あるいは密かに)人間を侵食し、人類の大部分が死滅させられたり、あるいは寄生虫のように体を乗っ取られてしまう日が来るかもしれない。

これに対抗するには、人間が生物学的に、他の生物よりも速く進化するしかない。幸いにも人間には知恵があるので、遺伝子操作のような手法で「スーパー人間」を作り出し、風邪も引かず予防接種も不要、熊と戦っても勝てるような生物に変化する必要があるのかもしれない。

そういえばそんな話がTNGにあったっけかなあ。

2018年4月29日日曜日

土日停止定期券


土日は使えない代わりに、現行の通勤通学定期より更に20%以上安い定期券、というのが提案の内容だ。多くの企業は土日が休みで、通勤定期を支給している会社にとってはありがたいはずだ。もし土日に出勤の必要が出たら、別途交通費申請すればよい。

これが従来できなかった理由は特にない。紙の定期券から磁気カードになった時点で機能的には可能になり、更にICカードになった時点で自動引き落としもできるようになったから、システムを修正することは今からでも可能だ。

問題は採算だが、これは実際に土日に定期券が使われる比率から割引率を算出するだけで良いので、それほど問題にはならないはずだ。もし採算が合わないなら、全日定期券(新設)の値段を上げて調節すれば良い。

気付かずにチャージを使ってしまって往生する、という場面は想像できるが、それを配慮しても見当の余地はあると思う。

2018年4月28日土曜日

高度人工臓器


https://jp.techcrunch.com/2018/03/17/2018-03-14-mit-gadget-puts-multiple-artificial-organs-into-a-paperback-sized-connected-system/

実験のために複数の臓器を生体細胞でエミュレーションするチップだ。これを見て思ったのは、本当にこれで臓器を作ってしまえばどうだろう、ということだ。
目的は、体内の複数の臓器を人工のもので代替することなのだが、この際、複数の臓器を纏めて一個にした小型装置を作っておいて、その装置を何個も並列して動かすようにする、というのがミソだ。

考えてみれば、人工臓器が本物の臓器と同じ大きさである必然性はないわけで、つまりはより小さく作ることで機能性能の向上を図るという積極性も考えられるのではないか。臓器を纏めて並列にすると、冗長性が得られるし、機能の増強も簡単にできる。そうすると、もっと積極的な健康を得られるかもしれない。

もちろん全ての臓器を一体にすることはできない。目指すのは内分泌系と循環器系、泌尿器系である。循環器系は当然血管やリンパ管自体は含まず、泌尿器系についても尿管は含まない。

こうなると、基本は人工腎臓をベースにして、血液の状態を見る多数のセンサと、血液に附加すべき分泌物を投与するマイクロポンプの組み合わせのような形になるのだろう。分泌物をどう生産するのか、動力をどうするのか、とりあえずは全く分からないけれど、こういった過程を辿っていってもらった方が自然で、長生きの派生としてサイボーグがある、というような認識が醸成できるだろう。

例えば筋肉や呼吸器が生身で循環器が人工、となった場合、意外と若返りが可能かもしれない。年をとると衰えるのは分泌系で、筋肉や呼吸器のような比較的単純な機器をだまして、まだ若いと思い込ませることができるかもしれない。

もちろん全体のバランスを考えなければちぐはぐになってしまうが、そういった未来もまた、可能性の一つとしては面白い。

2018年4月27日金曜日

圧力バッグ応用冷凍食


http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1008498/031301175/

この記事を見たとき、レシピを公開するのもいいが、何でそのレシピそのものを冷凍食品として売り出さないのだろう、と思った。

使い捨ての圧力バッグに調味料と素材を入れ、電子レンジで加熱する。圧力バッグには適切な圧力を維持する調整弁があり、(弱いが)圧力鍋と同様の効果で調理ができる。原理はこれだけだ。であれば、冷凍食品として売り出すのは可能なはずだ。

もっと言えば、調味料を加熱で溶解する素材でパッケージしておいて、調理前に好みに応じてそれを加減して入れるとか、幾つかの調味料は自宅のものを入れる前提にしておく(例えばしょうゆでなく減塩しょうゆにするなど)。素材も、個別に溶解素材で仕切るか覆っておくことで加減できるようにする。そうすれば、「我が家の味」を出すことも可能なはずだ。

ここから発展して、この「溶解素材バッグ」も個別に販売することが考えられる。恐らくは水で溶けるのではダメで、高温か高温の油に触れて溶けるようなものが良いと思われる。このバッグに、時間のあるときに素材を切って入れて冷凍しておく。調味料バッグもあって良いが、これは需要が少ないだろう。

これらを1~3人前程度に分けておいて、必要に応じてバッグを選んで電気圧力鍋に入れて、調味料も適当に追加して、スイッチオン、というようになれば、料理もだいぶ様変わりしてくるはずだ。

2018年4月26日木曜日

汎用タッチリンクAPI


https://japanese.engadget.com/2018/03/15/apple-watch-gymkit/

なかなか面白い記事だとは思ったのだが、どうもしっくりこない。なぜかと考えていて分かったのは、これが汎用ではなく、ジム専用だ、というところだ。

単にSuicaのような金銭授受ではなく、タッチすることで各々のシステムがリンクする、その先は例えば全部オンラインでやり取りできる、というような汎用APIの上にこれが乗っかっているのなら納得できたのだ。そうでなければ用途毎に新たな開発が必要になったり、UIの違いに戸惑ったりすることになる。

従ってこれの修正案は「汎用にすること」この一点である。どのようにするのかと言えば、タッチすることで「連携への合意」とみなし、必要なら更に認証(パスワードや生体認証など)を加えた後、双方で連携可能なシステムを突き合わせて、それが複数あるなら選択させて、連携する、そして連携解除の方法も合わせて標準化する、というものになる。

肝になるのは各種機能の標準化だ。例えば上のシステムは「NFC」という記号にタッチすることになっているが、もっと簡単に「LINK」ないしは「Touch for Link」などとしてはどうかと思う。

超近距離通信にはNFCとFelica、あるいはTransferJet、RedTactonのようなものもあるのだから、タッチして規格が合わない場合の処理も含めて設計する。例えば全く規格が違って検知できないなら無反応だが、FelicaとNFCのように一応機器が反応するが通信できない場合はその旨表示することを義務付ける。表示はタッチするものとされるもの双方に行う。

可能な連携の突合せは、正に「プロトコル」だから、一つ一つネゴシエイトしてやる。また、タッチ経由でしか連携しない場合、近距離通信(WiFi、Bluetooth)で通信する場合、携帯回線で通信する場合の三種類を規定する。更に、スマートウォッチの場合はそれ本体と母艦スマホのどちらで連携するかも選択肢になるはずだ。

連携の際に、ソフトのインストールが必要な場合もあるだろうし、データ入力が必要だったり操作が必要だったり、ということもあるだろう。ここら辺はセキュリティと絡めた規定が必要だ。最後の連携解除も、タイマーは必ず入れておく必要がある。それも自由に決められないようにしないといけない。

こう考えていくと、決めなければいけないことは山とある。Gymkitはこれらを全部すっ飛ばして単に利便性を求めたように見えてしまう。これが最初の違和感の正体だ。Appleは既に走ってしまったので、Googleはもっと組織的にしっかり規格を考えて欲しい。

2018年4月25日水曜日

AIの三階層アーキテクチャ


シンギュラリティ後のAIは何処に行くのかは興味があるところなのだが、そもそも無目的にAIを作る人間は居ないはずだから、何らかの仕事をしようとするはずだ。そしてそこにはライバルがいるから、AI同士の競争になり、そこで勝つために、AIそのものではなくその指示者である人間を殺そうとする、などというような段階になるのだろう。

これはもちろん防がなければならない。一方で、以前「ご隠居AIとお局AI 」で提案したように、緩いルールも考えられる。例えば、ある新興国では実は賄賂の習慣があって、法は絶対ではない、ということも考えられるからだ。

シンギュラリティ後のAIは、三階層のアーキテクチャが必要になる。第一階層は絶対守るルール。第二階層は緩いルール(パラメータ間の優先度など)。第三階層は、目的量の最大化をする、本来の意味でのAIだ。これはこれからのAIの基本アーキテクチャとして定着するべきと考える。

第一階層、第二階層には、第三階層の結論を評価する仕掛けがあって、それが各々の階層の条件を満たしているかどうかを判定する。第一階層はYes/Noであり、第二階層はアナログ値(0~1)となる。第一階層がYesである条件で、第三階層は多数の提案を行い、それと第二階層とのマトリクスが形成される。

そのマトリクスを見て、必要なら各々をドリルダウンして分析し、経営者がどれを選ぶか判断する、というのが基本的な手順になる。

ただ、概念的にはともかく、実装は難しい。まず第一の階層。ここは言わばチェスのルールなのだが、大きな問題が二つある。第一は、チェスのように明確な指示ができないところだ。「人を殺してはいけない」だけではない、様々なルールを明文化して書かなければならない。それも人間のルールを応用するのではダメで、AI向きに書き直さなければならない。

例えば、人を殺したら死刑または無期懲役または懲役云々、というのは、こうしたらこうなる、というルールである。だから、例えば詐欺をしても罰金より儲かれば可、などという判断をしかねない。法ギリギリの不誠実な方法もダメだろう。

二つ目は、そのルールをAIが認識できたとしても、何をしたらそのルールを破ったことになるのかが明確にならなければならない。例えば「人を殺してはならない」ことが分かったとしても、飛行機のオートパイロットを弄るのと大量の失業者を生み出すこととのどちらが人を殺すことになるのかは明確ではない。それをAIが知覚できなければ、ルールを守ろうにも守りようがない。

「人間が確認した後に実行する」では足りない。そのうち作業が複雑になって人が理解不可能になったり、判断すべきことが膨大になって面倒になって放置する、といったことが起こるのは明白だ。

更には、最終的にはこのルール遵守は法で強制しなければならず、対応できているかどうかは確認可能でなければならない。国の審査対応APIのようなものができて、オンラインで監査できるような仕掛けが必要であり、監査対象のAIは大手企業しか作れない、などとなる。

このアーキテクチャの実現は相当困難なので、初期には法で強制するところは飛ばして、また汎用ではなく特定目的に限って適用されることになる。それは、その時点(技術レベル)において、ルールとその確認手段が明確に判断できるものに限って適用される、という形になる。

こう見ると、AGIの安全装置的なシステムの実現はまだ先が長いと言える。シンギュラリティが安全装置の開発より先に来てしまう可能性は十分にあり、ここの早急な理論構築と開発や義務化が期待される。

2018年4月24日火曜日

食の3Dプリンタ


http://idarts.co.jp/3dp/open-meals-sushi-teleportation/

発想は面白いが、今のところ実現性は低い。問題となるのはボクセル要素の解像度、結合方法、素材、そして製造方法だ。小さく分割すること自体はまあ良いとして、個々のボクセルの味、栄養素、食感をどう再現するのか、何も具体的なアイデアが示されていないし、スキャンの方法も勿論書いていない。

最初は、スキャンは諦めて、素材そのものを指定して考えるのが良いだろう。例えば米一粒を3Dプリンタで作るにはどうするか、を考える。これを更に細分化して、味、食感、栄養素について各々考える。まずは食感と栄養素を外して、味について考える。

味については、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味を出す調味料を混ぜ合わせる、という手法が使えるだろう。ただ、ブドウ糖と果糖の比率を変えるような高度な技ができるのかどうかは不明だ。

次に栄養素を加える。調味料自体にも栄養素があるので、それを差し引いた上で足りない栄養素を加えるのだが、栄養素自体にも味があるため、調味料をそれで加減しなければならない。この栄養素と調味料の組み合わせは、いわばゴールシークで作ることになる。
栄養素には三大栄養素(脂肪、たんぱく質、炭水化物)とミネラル・ビタミンがあるが、例えば脂肪ひとつとってもさまざまな種類があり、上の甘味と同じような問題がある。また、ミネラルやビタミンは多種少量であるので、その制御が問題になるだろう。

最後は食感だ。この再現にはコラーゲンの合成が必要になる。コラーゲン以外で食感を出す方法もあるだろうが、まずはコラーゲンとその形状、結合強度などを調整するのが有力だろう。

素材の多様性の問題に目をつぶれば、似たような味、似たような栄養素、似たような食感のボクセルを作ることは、まあ可能だろう。ただその「似具合」は相当に酷いだろう。これを本物に近づけるには、食材をできるだけ本物と同じにしなければならないが、そうすると保存性の良い粉末や液体にしてパイプを何本も繋いで… という方法は採り辛くなってしまう。

そして極め付けがスキャンだ。これをリアルタイムで行う方法はとても思いつかない。例えば凍らせるなどして固定した後にカッターでさいの目に切り、各々の栄養素分析をすることはできるだろうが、この時点で食感の測定ができなくなるからだ。

そしてサンプルを複数用意するにしても、食感をどう測定してよいのか見当もつかない。例えば「口」ロボットと圧力センサ、ということは考えられるが、食感は測定できても、その原因がサンプルのどこのどういう構造からくるものかは測定できたことになっていない。

ここを解決できなければ、このプロジェクトの実現性は低いままで終わってしまう。何とか良いアイデアはないものだろうか。

2018年4月23日月曜日

公文書保管センター


自分が言わなくても誰かが言い出すだろうから安心して意見するが、先日の公文書改ざん騒ぎに対する技術的な阻止の手段として、民間が使っているような文書管理システム+証跡管理システムのようなものを導入することを提案したい。

仕掛けは特に難しくない。センターに文書を持ち込むか送信すると、それに管理番号とタイトル、電子署名を付けて保管してくれる。また保管期間を指定すると、自動的に廃棄してくれる、というようなシステムだ。閲覧やコピーに関する権限も、属性として一緒に付けてやればよい。

センターは公的機関だが官庁とは独立の組織にして、このセンターに登録されたもののみを公的文書と認める。また広域分散して耐障害性を確保する。ブロックチェーンを使っても良いだろう。自治体も使えるようにしてやる。国家機密法対応書類や軍事関係のものは別としてやってよい。

登録され公開可能な文書はリスト化してあらかじめ示されるため、ここのタイムラグは無くなる。また、センターと時の内閣とは独立性を高く保つことにする。例えば予算や人事を握られるようではダメ、情報公開請求やそれに関する報道発表に干渉されるようでもダメだ。

開示された文書は電子署名がされているから、デジタルに改変することは不可能だ。勿論アナログにして改変しても、スキャンすれば改変した事実がバレてしまう。また、登録や破棄の記録も残るから、不自然に早く破棄することも不可能だし、もし指示があったのなら誰からかが分かる(ようにシステムを作る)。

表向き、これには欠陥がないように思える。官庁内のペーパーレス化にも貢献する。(あの「シン・ゴジラ」の、コピー機がガーっと並べられる光景に笑ってしまった人も多いだろう。) これに反対するのは、怪しい文書が見つけられると困る人たちだけのはずだ。

まあ、実現の可能性は低いだろうけどね。

2018年4月22日日曜日

詳細規則から総合評価へ


AIの潮流は止まることなく、IoTやビッグデータもAIに飲み込まれているように思う。その方向性とは、どんなものか。
  1. 従来は機械可読でなかった情報が機械可読になる。
  2. これを用いて大量の暗黙知が生まれる。
  3. これらを活用し、確率的な判断が機械化される。
音声、画像、感情といった情報が機械可読になる。大量のスマホデータ、Suicaの使用、電子カルテ、気象データ、交通データといった大量のデータが使えるようになる。それらをAIにブチ込むことで、人間が制御不可能なほど大量の暗黙知が生まれる。

従来のシステムは確定的で、人間の指示に従って間違いなく処理をすることが求められた。これに対し、AIの主な役割はその前段階、即ちその操作をすべきか、そのパラメータでよいのかを検証するところになる。これを、業務システムと対比する言葉で語るとするならば、判断システムとでも言えるのだろう。

例えば、電子カルテは確定的なシステムだが、診断は人間の判断だ。ここにAIが「XXである確率何%、根拠は何と何」と表示することができるようになる。また、旅券の発行に対して、定量的な条件(犯罪歴、国籍など)を確認するのは従来のシステムだが、それが怪しいかどうか(怪しさ加減)を表示できるようになる。

これらの判断基準は明文化されていないから、従来の業務システムそのものとは少し違う位置付けになる。業務システムは厳密だが、こちらは少々間違えても許されるし、常に進化するものでもある。そして判断システムの優秀さの評価基準も、従来とは異なる。

判断システムの出現は、恐らく今までは表に出てこなかった、人間の細やかな対応を表に出し、且つ評価することになる。これは一方で、そのような明文化されていない対応の均質化をもたらす。

よくある例に、オリンピックの代表を選考する基準がある。「総合的に判断」と言うが、それが恣意でないことは確認しようがなかった。AIはこれに公平性をもたらすことができる。「XX大会で優勝したら合格」というよりも確実性が高いことが証明されれば、誰もが納得するはずだ。

これは「オリンピックで好成績を出す」という目標があるわけだが、他にも「予測の精度を上げる」という視点で考えれば、色々な応用ができるはずだ。例えば天気予報、選挙での立候補の要否(当落予測)、新曲のヒット予測、広告の効果予測、施策・政策の影響予測。極端に言えば戦争をして勝てる確率などもそうだ。

また同時に、「恣意の程度推定」も可能だろう。もし先に代表が決定され、後からAI分析での結果と違っていたとする。一回二回なら偶然もあるにしても、これが続けばそのこと自体も含めて恣意とみなすことができる。

更に、「評判」を算出することが可能だ。これは例えば、ある政策を実行した時に、SNSでの批判や賛辞、及びその規模(施策自体への関心度)を計測することができる。他には新製品の評判、裁判の判決への納得度、政治家の疑惑釈明への満足度などがある。それを元に適宜修正していくことで、最適化を図ることができる。

そのようなことが一般的になってくると、細かい規定や規則は逆に不要になっていくのではないか。つまり、例えば税金の控除が設定されていたとしても、実態に合っていなければ不満が出る。その「不満度」に合わせて税額を曖昧に決めるようにすれば、細かいルールがなくても国民は満足してくれる。

「何でも総合評価」時代になるとルールはシンプルになり、そのルールは抽象的なものばかりになる。「みんなで幸せになる」が最初にあって、その下は「最少不幸社会」か「平均値の最大化」のどちらかがあって、…などという憲法が制定される時代も、来るのかもしれない。

2018年4月21日土曜日

白物家電のスマート化を真面目に考える


Android搭載の冷蔵庫や電子レンジは既に存在しているが、どちらかというとキワモノ扱いだ。冷蔵庫ではレシピを呼び出し、インターネットに接続する。電子レンジでは暖め方のバリエーションが豊富になる。確かにちょっと無理やり感がある。もう少し何とかならないだろうか、と考えた。

エアコンと加湿器、除湿機、空気清浄機を例に取り上げる。これらの目的は「空気の状態が快適であること」だ。プログラム運転のような機能は既にあるのだが、ユーザのリモコン操作を学習する機能はないし、複数の機器間での操作連携はない。この二つを「スマート」にすれば、利便性は向上する。

ユーザは、自身の快適さ加減によって、個々の機器のリモコンを操作する。暑いと思えばエアコンを入れ、乾燥していると思えば加湿器を点ける。この行動を、周囲の環境や時間によって学習していけば、自動でオンオフできるようになる。

更に、それでも不快なら、人間は機械の操作を否定して再度リモコンを操作するはずだ。それも学習のデータとなる。これを繰り返していけば、だんだんユーザがリモコンを操作する機会は減っていき、遂には全く操作せずに済むようになる。

センサは新たに買い足す必要はなく、各々が持っているセンサが使えれば良い。願わくばお互いの状態が分かるようになれば、学習もやり易いだろう。センサを増やせば精度も上がっていく、というようなものになればよい。例えば照明や時間が分かれば、就寝している間に温度を下げるようなことも可能だろう。

このように、操作をする必要がある機器が、AIにより操作不要あるいは軽減できるようになれば、これはもう立派なスマート家電と言える。

2018年4月20日金曜日

ある程度賢くなれば


AIの認識能力や判断力は、一般論ではまだ人間に及ばないが、一部においては追い抜いてきている。今は決定論的なプログラミングによっている業務ソリューションも、学習を重ねてより賢くなれば、そちらで置き換えられる可能性はある。

つまり、プログラマがプログラムを組むのではなく、AIとの会話によってロジックを組んでいくような事態が起こりうるのではないか、というのがこの主張だ。

テストを先に書いておき、それを満足するようなプログラムを書く「テスト駆動開発」という手法がある。これを言わば「教師」として、業務データをぶち込むと何らかの答えを出し、それをテストしてOK/NGを出す、というようなことを繰り返していくことで、プログラムがAI学習によって出来上がっていく、というのがそのイメージだ。

そんなことが起こるはずがない、とは言い切れない。巨大なプログラムではバグが付き物だが、つまりは決定論的プログラミングであっても(回答を)間違える、というのは巨視的には正しい。AIが間違った答を出す確率と決定論的プログラミングにおけるバグ発生確率が、どこかで逆転しない保証はない。

簡単なプログラム、あるいはモジュール分割した一部においてこれを適用し、信頼性を確認しながら順次拡大していく、というような進化が考えられる。これが業務系に応用できるほど十分に信頼性があることが確認されれば、プログラマの仕事は画期的に変わることになるだろう。

2018年4月19日木曜日

音声OS


スタートレックシリーズを始め、コンピュータとの会話が音声で済んでしまうというSFでのシチュエーションは多い。Google HomeやAmazon Echoは、この先駆けになるのだろうか。

Amazon Echoのいわゆる「レシピ」に注目している。今のスマホには何百ものアプリがインストール可能だが、ここまで数が増えると立ち上げるだけで苦労する。これが音声ないしはチャット(意味はほとんど同じだ)で立ち上げられ、操作自体も音声ないしはチャットで完結できたら、相当に楽なはずだ。Amazon Echoでは、一部のアプリについてそれらを実現している。

そんな時代、音声インターフェースはもはやOSと言えるだろう。いくら自然言語だとは言っても一定のルールは必要なはずで、例えばAlexaとGoogleアシスタントが同じフレーズで別の動作をしては困る。

以前提案したような、エスペラント語による操作体系とはまた別に、未知の指示についてどう解釈するかといったAI的な視点でも規格が必要な点、従来のOSよりも少し考えるべき範囲が広がる。また、既存のアプリは音声出力のみを前提としてはいなかったから、ここも改善が必要である。

今、ここは各社が勝手に考えていて、統一されていない。初期の混乱としてはよくあることだが、そのうち、複数の音声アシスタントがひとつの家の中に入る日は必ず来る。その日に備えて、錯誤が生じないような音声操作体系は早めに作ってほしいものだと思う。

どんなことを決めなければいけないのか、少し考えてみたので参考にしてほしい。
  1. 最初に「誰に言っているのか」を推定し、その後の言葉の続きについて、何処までが最初に言った人に向かって話しているのかを特定すること。また、それが曖昧だった場合には確認をし、さらにそのときの特徴を基にその精度を向上すること。
    1. AlexaにHeyGoogleという名前を付けてはいけない。
    2. 特定できない場合にはお互いがバックグラウンドで相談して代表者が応答するものとし、いっせいに返事をしたりしない。これは曖昧なときも同じ。つまり、同じ音声空間に音声アシスタントが幾つあるのかを、音声アシスタント自身が認識して相互連携する。
    3. ある音声アシスタントにはできて、他の音声アシスタントにはできないことを要求されたとき、話者が同じでもそれを引き継ぐと共に、そのことを知らせる。
  2. 操作体系を統一する。
    1. 音声認識が間違っていた場合の訂正方法(キーワード)。
    2. 情報を補完したい場合(ピザを買って、と言われたときに何枚か、何時届けるか)のユーザへの聞き方やそのデフォルト値を共有する。一人しかいないことが分かっていれば一人前、など。
    3. 音声アシスタントを変えてほしいときの言い方。
    4. 同じことを別のアシスタントが双方操作可能な場合、その加減。例えば照明を暗くしろ、という風に曖昧に言われた場合の暗さ具合。
  3. 制御をアプリケーションに渡したことが分かるようにする。音声を変える、最初に名乗る、など。
    1. 音声アシスタントごとにつながっているアプリケーションが異なる場合、その制御引継ぎも行う。
  4. 学習結果を共有する。
    1. 話者によって生じるクセなど。
    2. チャイルドロック、ないしは一般ユーザー制限。
    3. 聞き取りにくい単語。
  5. まだ完全には音声出力に対応していないアプリケーションが出す出力(結果)を扱う際のルール、変換エンジンの仕様。
    1. 例えば記号や図形など、音声に変換しづらいデータをどのように表現するか。あるいはディスプレイを選んで表示する操作体系。
    2. アウトプットが物理的なものの場合(サイレンを鳴らす、ガレージを開ける、照明を点けるなど)は操作だけで済ますのか、その旨通知をするのかなど。
考えてみればまだまだ出てくるだろう。一つの学問にもなりうる分野だ。研究がどのように進んでいるのか分からないが、ぜひ知りたいことの一つだ。

2018年4月18日水曜日

Googleの先を行く


Alphabet、塩を使ってエネルギーを保存するシステム開発へ

以前、「溶融塩発熱所」として自分が提案したものと似ている。

溶融塩を使ってエネルギーを安定化させるというアイデアは、調べた限りでは自分の提案よりもっと前からある。だが、複数の発熱所を組み合わせて溶融塩をプールするというアイデアは、そうはないはずだ。

まあ実行力でははるかに負けているのだが。

2018年4月17日火曜日

Alexa対応赤外線リモコンへの要求


Amazon Echo、Google Homeに加え、LINEも音声AIを始めた。だがこれらのうち、リモコンに対応しているものはゼロだ。もちろん色々組み合わせればできるのは分かっているが、標準で赤外線リモコンを内蔵していてほしかった。

これは家電側も悪い。ソニーはリモコンで電波を使っているが、全機種ではない。RF4CEという規格もあるのだが、一向に普及する兆しがない。

かつては壁スイッチだったシーリング照明も今はリモコンだし、TV、エアコン、扇風機、ビデオ、空気清浄機など。リビングにリモコン立てを置いている家庭も多いのではないだろうか。最近はそれが溢れてきて、ペン立てよりも遥かに大きなスペースを割いている。これはちょっと頂けない。

Alexaに繋ぐ汎用リモコンは、やはり赤外線になってしまうのだが、これは当然見通しでないとつながらない。このためその発信機が見通し位置になければならず、家電を全て見渡せる位置となるとリビングのテーブルなどになってしまう。その目立つ位置に設置して、電源ケーブルも這わせなければならないというのはちょっと困る。

改良すべき点は二つだ。一つは、リビングではなく、壁や天井などへの貼り付け型とすること。もう一つは電池で長時間作動することだ。リモコンとAlexaは、BLEで繋ぐことになるのだろう。通信と赤外線発光の消費電力を考えると、バッテリは相当大きくする必要がある。これは少々問題だ。

ここで提案するのは、無線LANなどで言うところのビームフォーミングである。スマホのソフトと連動して、DMDを使った反射角度調整と出力の最適化を行う。これによって、赤外線の出力は大幅に節約できる。また、ミラーボールやプリズムを応用した反射・屈折デバイスも合わせて使えば有用だろう。

恐らくはリビングの後方、オーディオラックやテレビのある壁と反対の壁に取り付けるのが良いと思う。こうすれば音声デバイスの敷居はぐっと下がり、使い勝手も向上するはずだ。

2018年4月16日月曜日

緩いフリーズドライ


完璧なフリーズドライに対し、完璧に乾燥せず、例えば干しぶどう程度に留めるようなことにも、一定の用途が考えられる。
  1. 家庭でフリーズドライをしたい場合。完璧を求めると大変だが、緩いものであれば機器も手間も楽ができるだろう。
  2. 緩いフリーズドライは新しい食感を生むかもしれない。干しぶどうの例は正にそうだ。バナナチップも自家製ができるかもしれない。
  3. 新しい料理が生まれる可能性がある。スープを緩くフリーズドライにしてゼラチンパックに包むと、手で持って食べられるスープが作れる、など。
  4. スペースを節約したい場合。それによって体積が縮むので。
緩いフリーズドライなら、密閉容器を冷やしながら脱気するだけで、専用の袋などは無用である。真空度も低くてよい。このため、何十万円もするということはないだろう。最初から電子レンジサイズ、5万円以下で売り出せるかもしれない。

2018年4月15日日曜日

AIの次のアーキテクチャ的進化


脳はニューラルネットワークなので、今のニューラルネットの次のアーキテクチャというのがにわかには思いつかない。なぜAIは未だに自分で考えることができないのかは分からないが、いわゆるAGIの構造を考えるに当たっては必要な検討だ。

まず一つ考えられるのは、巨大な(本来なら無用の)大量巨大なネットワークを先に作ってしまう、というものだ。

もう一つ考えられるのは、専用AIを結合して総合的AIを作るというものだ。このアーキテクチャは、小さい脳同士を抽象化(カプセル化)してそれ全体をニューロンとみなす、いわば階層型のニューロンネットワークになる。

ただ、例えば、カメラにつながるニューロンは一塊になっていて、その塊の中には大量のニューロンがあるが、そこから先につながるのはごく少数のニューロンだけ、というような形にするのが望ましいだろう。また、I/Oと直接はつながらないニューロンの塊も複数配置し、各々をまた疎結合させるようにするのがよい。

どちらかと言えば、後者が実際の脳に近いと思われる。この場合でも、学習は全体に対して行われ、塊毎に行うなどということはない。

理想は、人間と同じに教育することだ。すなわち、脳にあらかじめ全ての感覚と臓器を与えてしまう。もちろん全部シミュレータだ。そして実生活のデジタルツインの中に住まわせる。そしてしばらく放っておく。そうすると人間が出来上がる。

だがさすがにそれば無理だろうから、最初は画像だけ、音声だけで行うことになるだろう。そうすると、例えばカメラを2台使ったニューロンネットワークでは立体の認識ができるのではないか、とか、脳内に自然と言語野や視覚野ができるのではないか、とかいうことが想像できる。

最初は静止画だが動画も見せるようにしたり、何もないときでもカメラを付けっ放しにしておくということも考えられる。当然教師なし学習になるが、親が無表情だと子供が不安になって泣く、というようなことは期待できないかもしれない。アウトプットを例えば声としておいて、「ママと言ったら喜ぶ」というような反応をしてやることと共に、何らかのベースとなる知識は入れてやる必要があるように思う。

もし上手くいけば、芸術性評価や感情評価といったものができるかもしれない。そうすればいよいよ人間の脳に対する理解は深まっていくだろうし、そういった曖昧な評価軸も定量化できるかもしれない。

2018年4月14日土曜日

SIGFOXヘルプボタン


http://www.soumu.go.jp/main_content/000452035.pdf
http://www.kccs.co.jp/sigfox/

年間100円、1回12バイト、100bps、Max140回/日、電池で10年、SIM不要。そして既に主要都市でネットワーク敷設済み。LPWAの一つだが、基地局を自前で用意することなく直ぐに使えるというところが、画期的に思える。


現在のところ受信ができないので、何かをさせるトリガーを外から与えることができないのがネックであるが、これだけ安いのなら色々考えてみたくなる。

既に応用例としては上のPDFに多数紹介されている。この12バイトには、デバイス識別子とタイムスタンプは別になっている。ただオンオフを送るのなら1ビットで十分なので、12バイトは余りある量だ。

上の応用例にないものとして、ヘルプボタンを考えてみた。仕様は以下のとおり。
  • そのボタンは、ベンダのロゴに隠れる形で仕込まれている。
  • ボタンには二種類のタイプがあり、ただのボタンの場合(シンプルタイプ)と、機器内の制御マイコン等と接続されている場合(インテリジェントタイプ)がある。
  • シンプルタイプの場合、通信自体は「そのボタンが押された」ことだけを示す信号が送られる。インテリジェントタイプの場合、可能であれば(電源が入っていれば、故障していなければ、など)機器の状態が一緒に送られる。
  • ユーザはあらかじめユーザ登録をしておく。例えばロゴの上に紫外線QRコードを書いておくと、登録用ページに飛ぶことができる。更に、そのコードには製品のシリアル番号が入っていると良い。
  • ボタンが押されると、ベンダはそれを察知して、ユーザに有用な情報を提供する。例えばメールを送って機器のサポートページのURLを伝える、機器のエラーコードを解析して必要な措置を伝える、修理依頼フォームを送る、電池交換の案内をする、消耗品購入の案内をする、買い替えの案内(サポート終了など)をする、対応するマニュアルのページを開く、サポートチャットを開始する、など。
  • インテリジェントタイプの場合、制御マイコン等が擬似的にボタンを押すことができる。例えば保証期間を過ぎた場合、電池が切れそうな場合、故障予知ができた場合、実際に故障した場合、メンテナンス(フィルターの掃除など)が必要な場合、など。
  • ウォッチドッグ(生きていることを定期的に確認する)用途で、一日一回などの間隔で通信を行う。
こうすると、機器には余計なディスプレイが不要になる。機器の小さなディスプレイを見るよりも、スマホで詳細に見た方がはるかに親切だ。また、汎用に仕掛けを作っておけば、Webを経由して更に自動で何かする、ということが可能になる。例えば消耗品の在庫を調べたり、警察や消防に通報したりすることができる。

保守期間が長いもの、例えば消火器などでは、保守を忘れずに実行することができる。あるいは保守部品保持期間の終了を知らせることができる。インテリジェントタイプなら、例えば稼働状況から保守点検のタイミングをフレキシブルにすることで、無用な保守を省いて低コスト化することができる。

ロゴに隠す、というのはベンダ共通のルールとして有効だと思う。そしてこのボタンは後付けもできる。ロゴの上にこれを貼ればよい。ユーザ登録を促進することにもなるので、どんどんこれを投入していって欲しいものだと思う。

2018年4月13日金曜日

農業試験工場


従来の農業試験場をハイテクで改良して、新しい情報を生産しよう、というのがこの目的だ。以下、説明する。
  • 目的は、従来の農業試験場とさほど変わらない。つまりは農業に関する知見の蓄積と品種改良だ。
  • 違うのは、全面的に植物工場と化すところである。巨大な自動倉庫と大量のセンサにより、試験を加速する。
  • 試験は、自然環境向けと植物工場向けの二種類がある。
    • 自然環境向け
      • 年間の気象予測に基づき、特定の土地における育成利益の最適化を図ることを目的とする。つまり、気象予測によって植える作物の種類や育成方法を最適化する。
      • 概念的には非常に簡単な話で、例えば冷夏が予想されるのなら寒さに強い品種を選ぶとか、その際の肥料のやり方・農薬の撒き方・間引きの仕方などを細かくアドバイスする。
      • そのため、任意の気象条件を植物工場内に再現して、実地試験をする。
    • 植物工場向け
      • 人口環境下での育成に適した植物の品種改良を目的とする。例えば超強照度、高濃度二酸化炭素の添加、定温化、日照時間の任意の制御などによって味の向上や育成期間の短縮をしたり、低背化によって体積効率を向上したりする。
      • 掛け合わせや評価の自動化、計画の自動化などを行う。
  • もちろん、得た知見は売ったり、国内なら無償提供したりすることも考えられる。自治体や農協に売ることも考えられる。
このためには、細かく区域を仕切って、その中で環境を自由に制御できるような仕掛けが必要になる。例えば50Lコンテナ(大き目の段ボール箱)くらいのサイズに全てのセンサと環境制御装置をぶち込んで、自動倉庫で出し入れできるようにする、というようなものになる。

これは当然高価になり、育成できた植物は殆ど売り物にならないはずだから、コストセンターになる。しかし当然得た結果は大きな利益を生むから、国や農協が主導して運用するには適切だと考える。

2018年4月12日木曜日

超音波雪下ろし器


屋根に超音波振動装置を取り付けておく。これによって屋根と雪の間の結合が破壊され、雪が滑り落ちやすくなる。これが題記装置の原理だ。角度によっては放っておいても落ちるだろうし、そうでなくても楽に雪下ろしができる。

まあ超音波でなくて低周波でも良いのだろうが、超音波の方が簡単にできそうだ。また可聴域音波でも当然可能だが、うるさいのはかなわんだろう。

原理だけ聞くと簡単そうだが、屋根材や雪の厚さなどによって効き具合は違うだろうし、瓦がずれたり釘が緩んだりしては問題だ。既存の屋根に直接付けるのではなく、新築用の屋根材として開発するか、「シーズンになったら屋根を覆うカバー」のようにしてはどうかと思う。

自動車に組み込んでやると、フロントガラスやミラーの雪を簡単にどかせるので便利だろう。こちらは組み込みでお願いしたい。

2018年4月11日水曜日

機械学習向けデータ作成業者


AIの一ジャンルに「教師付き機械学習」というものがある。例えば犬の写真と「犬」というタグのセットだ。こういったデータは多数ある方が便利だ。フリーの素材もあるが、それは汎用のものばかりだろう。ちょっと業種の奥に入っていけば、必要なデータは大きく異なってくる。

AIの応用は、どんどん細かいところに入っていくはずだ。極端な話、「ウチのシャチョーの極端なクセ字を読み込みたい」などというニーズも出てくるはずだ。そういったものは、データとアルゴリズムセットで外注するのが筋だが、業務の細分化に伴って、学習用データ作成専門業者というものも出てくるだろう。

手書きの住所と名前の読み取りなんてものは汎用化可能だし、データを集めてくるところにはノウハウもありそうだ。また教師データとしても細かいタグを付ける注文もあるだろう。例えばただ単に「ヒョウ」ではなく、「紋様のつながったところが下半身にあるヒョウ」のようなタグのリクエストもあるはずだ。そういった業者が今後伸びるかもしれない。

大量のデータにタグを付けるのは人間の仕事である。機械にはもちろんできないし、高度なノウハウは必要ないから、バイトとしてはうってつけだ。なんだか機械に使われているようで面白くないかもしれないが、それでも仕事にありつけるのであれば一種の救済にはなっている。

2018年4月10日火曜日

凍結洗浄


日立、エアコン内部を凍らせて油汚れも落とす日本初の「凍結洗浄」搭載エアコン

まだまだ技術の進歩ってのはあるもんだな、と感心したニュースだった。なぜって、これなら使うのは電気だけだ。洗浄剤も水も不要、部品化して取り外す必要もなし。

他に考え付くものとしては、光触媒+紫外線ランプ、燃焼(ちょっと乱暴か?)があるけれども、やはり凍結が一番魅力的だ。エアコン以外にも使えないだろうか、と考えてみた。
  1. 家の外壁の洗浄。
  2. 風呂釜の洗浄。
  3. 風呂場、シャワー室の洗浄。
  4. 便器の洗浄。
  5. 窓ガラスの洗浄。どうやって凍らせるかが課題。
  6. 洗面台の洗浄。
  7. ポットの内壁の洗浄。
  8. 自動車の洗浄。
  9. 自転車の洗浄。
  10. ベランダの洗浄。
  11. ゴミ箱の内側の洗浄。
  12. ごみ処理場のごみ集積タンク(?)の洗浄。
  13. ごみ集積所の洗浄。
  14. 上水管、下水管の内壁の洗浄。
  15. 洗濯機の洗濯漕の洗浄。
  16. 電子レンジ内壁の洗浄。
  17. 鍋の洗浄。
  18. 食器の洗浄。
これらの中で実現性が高く有用なのは、風呂と便器だろう。内側に不凍液の循環パイプを張り巡らせておき、タイマーで暫く冷やした不凍液を流すだけだ。毎日でなくともよく、例えば週に一回、深夜~早朝にやるだけでも、相当に便利ではないだろうか。

不凍液循環ではなく、単純に冷気を吹き付けるだけ、としておいて、その冷気吹き付け機を今の掃除機や蒸気洗浄機のような感覚で作り売り出す、ということも考えられる。これなら家の外壁や自転車自動車などにも使うことができる。

2018年4月9日月曜日

カウンター玄関


物流が増えれば、人の外出は減り、それを目当てとする店舗は減る。人流のための交通機関も空いてくる。これはものの道理だ。今でも宅配や(食の)デリバリーは非常に便利になった。極端な話、家から一歩も出ずに生活することができるほどだ。

だが、宅配やデリバリーが頻繁になってくることは、セキュリティ上の懸念にもなり得る。宅配業者を装った押し売りや強盗が怖い、というのは、十分に理解できる。そこで考えるのが、題記のシステムだ。

非常に簡単な話で、玄関ドアの上部に宅配対応の窓を付ける、というのがそのアイデアだ。30cm角~50cm角程度の窓で、手前に倒れるようにすればそのまま荷受台になる。もちろん内側から鍵を掛けられるし、窓の大きさも二段階(窓の中に窓がある)にする、という形態もあるだろう。

30cm角の窓は、小さめの荷物、書留、デリバリーの多くを受け入れられる。50cm角になると、殆どの荷物(50Lクラスまで)やピザを受け取れる。もちろん最初は30cm角の窓を開けて対応・確認してから50cm角の窓を改めて開ければよい。

これなら既存の家でもドアを交換するだけでできる。もし怪しい業者であったとしても、いきなり踏み込まれる事態にはならない。完全ではないにしてもそれなりにセキュリティは向上し、宅配やデリバリーを利用しやすくなること間違いない。

2018年4月8日日曜日

盲導ロボット


盲導犬の代わりをするロボット、という発想は如何だろう。

イメージとしては、自律2輪車(セグウェイのような)ないしは二足歩行ロボットになる。被介助者はドローンの一部に手を掛けるか、手綱を持つ。犬と違うのは、音声かリモコンで操作できるところだろう。複雑な音声でも理解できるので、例えばマンナビの機能は取り込まれるだろう。健常者でも使えるかもしれない。

カメラなどのセンサを搭載するから、その分析情報を被介助者に伝えることができる。これはBluetoothイヤホンを通じて音声で、というのが常識的だ。単純に信号や段差の注意、周囲の危険情報、あとどの位で曲がるのか、などを伝える。

四足歩行ロボットにして、本当に犬のような形状にする、というのも勿論アリだ。この場合はaiboのように育つ機能も入れておいて、被介助者に愛情を抱かせるような工夫があっても良いかもしれない。もしそうなったら、介助犬は御役御免になる。

さすがにこれなら、ペットお断りの店でも拒否されることはないだろう。

2018年4月7日土曜日

曖昧さを許すXXエンジン


近年では、コンピュータソフトを全く一から作るということは殆どない。何らかのライブラリやPaaS、データベース、ミドルウェア、フレームワーク、などと言われるものを駆使することで、大いにその労力を低減することができる。

だが、そのインターフェースは言語と同様に醜悪である。マニュアルを読み、想定した呼び出し方をしなければまともには動かないばかりか、その手法はパーツによって全部異なる。

プログラマにとって今までそれが当たり前だったのだが、考えてみればそれは極めて不親切なのではないか、と思うのだ。人間の技術者だったら日本語で説明すればやってくれるのに、RPAになるととたんにプログラミングになってしまいプロが必要、というのが今の状況だ。

かつてSOAPというプロトコルはあったが、それでもまだ圧倒的に不足だ。自然言語による記述であって、更に曖昧さを許した上でもプログラムとしては正確に動く、という仕掛けにする必要がある。ツールが増えれば増えるほど、その問題は深刻になっていく。

例えば、時刻を返すライブラリがあったとする。そこには例えば「XX月YY日は何曜日?」といったメッセージを送ると「水曜日です」と返す仕掛けがあるはずだ。だがここには落とし穴がある。そう、年が指定されていないのだ。Excelで年を省略した日付を入れると年を補完してくれるが、そのような仕掛けが入っていることが必要なのだ。また、よく見てみれば日本語で問うていることがわかるだろう。これも今まではなかったことだ。

ファンクションにおいては「デフォルト値」のようなものがあるが、この例ではその程度で済む。だが事情はもっと複雑だ。例えば太陰暦と太陽暦では日の勘定の仕方が違う。

「XX月XX日とYY月YY日は何日離れている?」としたときに、太陰暦で聞いていたとしたら。しかも太陰暦で計算していることは文脈から分かり、その時々では指示されていないとしたら。あるいは「何日」と言っておきながら時間まで暗に尋ねているかもしれない。うるう秒まで含めた正確な秒数まで求めているかもしれない。

受け取り手にしても、答えが過度に正確だったら途中で切り捨てたり、勘違いしていると思ったらそれを指摘して問い直したりする、ということも考えなければならない。もちろんそれに答える技量が、ツール側にも必要だ。

一つのツールに対しての呼び出し方が多数あり、その曖昧さ加減は文脈まで含めて大きい。内部コードはツールそのものより呼び出し方の方がはるかに複雑。これが将来的なツールのあり方だと思う。

これは、例えば「Hey, Siri」といったような音声インターフェースと同じようなものであろう。プログラムは自然言語で、話し言葉になっている。記述は適度に曖昧で、それが人間にとっての読みやすさを生んでいる。ツールが賢くなればなるほど記述は簡潔になり、読みやすくなる。

従来の自然言語解釈とプログラミング言語との間を結ぶ新たなXXエンジン(意味解釈エンジン?)として開発し売り出せば、相当なヒットになりそうだ。

2018年4月6日金曜日

通販の画面に物申す


Amazonのプライムデー、楽天のスーパーセールなど、通販の安売りがあるたびに思うのが、商品の見せ方が「とてつもなく」ヘタだ、ということ。今まで安売りを理由に買ったことは一回もないが、その大きな理由はここにある。

この対極にあるのが、スーパーのチラシだ。何が安い、何を売りたい、という表示がしっかり目立つように表示されている。なぜあのようにできないのか、理解に苦しむ。

そもそも、通販のWebサイトの画面構成はイモだ。個別の商品に至る途中の画面がすべからく使い辛い。自分だったらどうするか、考えてみる。

まず、画面を一律に作らないことだ。大きく表示するもの、小さくするもの、メリハリをつける。次に画面いっぱいに画像を広げることだ。余計な空白が多いのは画面の無駄遣いだ。また商品名や金額などは画面に重ね、目立つようにする。スクロールもダメ。めくりにする。画面は先読みしてタイムラグを極端に気にすること。1秒でも速く。季節や曜日から想起される品物のジャンルを固定すること。

結局これは、チラシの作り方と同じなのだ。せっかく完成した良い見本があるのに、それを参考にしないのは理解に苦しむ。明日からでも良いからやってほしい。

2018年4月5日木曜日

思念記憶AI説


以前に展開した「魂の記憶仮説」について、AIのそれと似ているような気がしてきた。

この世のあらゆる事象は、何らかの物理的存在の位置や運動を少しづつ変えたり、化学変化を起こしたりして、周りの物質に記憶される。この現象は、情報が全て伝達するのではなく、そこにある物質の状態をホンの少し変えるだけであり、それを以って情報が全て取り出せる、という性質のものではない。これはAIにおける深層学習のノードパラメータの変化に似ている。

AIでは、そこから取り出せるのは事象の記録そのものではなく、その多数の事象の積み重なりから得られる何らかの「知見」だ。物質の記憶でも同じことが当てはまる。例えば、何回も車が通る道には轍ができるが、個々の車が通った事実を覚えているわけではない。それでも「ここは多数の車が通る」という事実は分かる。情報は大胆に削ぎ落とされて入るが、それでもそれは記憶なのだ。

その記憶とは、頻繁に起こる事象がスムーズに通り過ぎるように変化する、と言える。轍がだんだん深くなると、轍以外の場所を通ることが困難になり、ハンドルを多少切っても轍に戻されてしまう。それと同じように、特定の事象が多く起こると、多少の誤差はその事象の中央に引っ張られて通過するようになる。

事象の通過というのは難しい概念だが、魂が特定の場所にあるこれらの記憶に触れたとき、多数あった過去の事象に影響を受けて思念が形成される、端的に言えば記憶が蘇るような経験をする、デジャヴを経験する、ということなのではないだろうか。それは、顔を多数合成すると美人に見える、というような、総合的な経験なので、特定の何かの事象を追えるわけではないが、そこで平均的におきやすい事象が分かるという意味では記憶と言える。

神社にくる人の多くはお参りをしたり祈願をしたりする人たちだから、神社の周辺の石や木や水は、そういう思念の平均的なところを記憶している、つまり、聖地とかスピリチュアルスポットとか言われるものの正体は、そういった人々の「思念の轍」ではないだろうか。

もしそうなら、下衆な考えをする人たちが多く集まるところには下衆の轍が、高尚な考えをする人たちが多く集まるところには高尚な轍ができるわけだ。意図して精神を高尚にしようと思えば、高尚な考えの人たちが集まるスポットに進んで行くことで、その轍にはまることができる。

もしAIにそれを覚えこませることができるなら、スピリチュアルスポットを持ち歩く、コピーすることができるようになるのだが。可能ならぜひそうしたいのだが、何を覚えこませれば良いのか、まだ分からない。

2018年4月4日水曜日

ドローン戦士


近年のウルトラマンでは地球防衛軍があまり活躍しないが、旧来のパターンとしてこれが復活するとしたら、隊員たちの立ち位置はだいぶ変わるのではないか、と考える。

この間、発達したのは、人工知能やロボットの技術だ。軍隊と違って怪獣は通常一度に一体しか現れないから、少人数で対応すること自体には違和感を感じないが、命の危険を顧みず戦闘機で攻撃するようなことは、もはや時代遅れだ。ドローンやロボット操縦で対応するのが筋だろう。

怪獣の移動スピードは遅いので、そもそも戦闘機よりもドローンが向いていると思うし、近づき過ぎると光線などで撃ち落されるから、遠隔地から小さいドローンが多数、死角からじわじわと来襲するというのが作戦としては妥当だと思われる。後は誘導ミサイルがあるだろう。

ドローンが搭載する兵器はレーザー兵器一択だ。弾頭や炸薬などの物理的な攻撃はミサイルに任せる。ドローンの数は大量なので、充電だけで補給できるレーザーは使い勝手が良い。ドローンの大きさは、人が乗れない程度である。農薬散布用のドローンがあるが、あの程度が参考になる。

この際に問題になるのは、戦闘のような激しい場面でも問題なく届く通信システムである。爆発があったりビルが壊れたりレーザーが飛び交ったりする現場では、従来の電波による通信では激しい電波障害が発生して途切れる危険がある。大音響が広域な周波数に渡って発生すれば、音波駆動も難しい。重力波は微妙すぎる。

つまり、事実上は自律して動いてくれなければ困るわけだ。しかも、ロボット自身にも電磁波ノイズなどは降り掛かるわけだから、しっかりとシールドして誤動作のないようにしなければならない。ただ、隊員ほどの高度な知能が乗るはずもないので、具体的ミッションを与える必要はあるのだろう。

艦隊の隊形や攻撃方法に幾つかの名称を付けておき、それを逐次音声で投入する。また、幾つかのドローンは情報収集タイプで、分析や観察を行う。

問題は見せ場の作り方だ。複数パターンの合体(巨大ロボに変形?)や、特定ドローンを中心とした必殺技及びそのバリエーションが欲しいところだ。

また適度に弱くないといけないのだが、ここはお約束か。

2018年4月3日火曜日

植物工場の新たな可能性


植物工場では、周辺環境を自由に操作できる。既に、大量の二酸化炭素に暴露する、24時間光を当てる、といった、自然にはない環境を作ることで成長を促進することは実用化されている。

これをもっと極端に進めることで、人工環境下でしか生きられない代わりに生産性や栄養価や味がよい植物を品種改良で作る、ということは、充分に考えられることだ。例えば害虫や病気に極端に弱いが美味しい米の品種を復活させる、可食部分が多く余計な茎や葉が少ない品種などだ。

半球ドームの中心かららせん状に並べ、中心で植えて外周部で収穫するような植物工場を見たことがあるが、例えば緩い坂状のレールからなる棚に、上から種を植えたコンテナを乗せると下で収穫できる、といったように、本物の工場のような植物工場を作ることも可能ではないか。

2018年4月2日月曜日

一を聞いて十を知る


スマートフォンのアプリにも色々あるが、その創意工夫に恐れ入ったことが何回かあった。例えば、カメラに指を当てて脈を計る。カメラを真っ暗にしておいて、撮像素子に当たるホワイトノイズから放射線を計る。HDRやマルチフォーカス。水準器。照度計。などだ。

データの解析でも、画像解析や音声解析はAIの補助を得て深化してきた。話者特定、人物特定、感情解析、語彙分析。ちょっとの情報からさまざまな情報を得ることができる。
従来は専用のセンサや機械が必要だったところ、カメラとマイクだけでどれだけの情報が得られるか、というのは、ひとつのチャレンジだ。これは、将来的に必要なセンサの数を減らし、コストを低減することに貢献する。

通常のセンサの使い方以外のどんな使い方ができるかを洗い出し、またそれを組み合わせて何ができるかを検討する。AIが発達してきた今、これは結構面白そうなテーマではないか。

例えば、音の響き方から部屋の形状や壁の材質を知る、その部屋に何人人がいるかを推定する、更には位置や身長体格まで推定する、などのようなことができないだろうか。さすれば人の動きまで分かるかもしれない。

カメラにしても、時刻とGPS情報から映っているものが何かを特定したり、他のカメラ映像と突き合わせて立体モデルを作ったり、といったことが可能かもしれない。人を映すだけでその人の感情を推定する、あるいは病気や体調を推定する、ということもできるかもしれない。

なんだかシャーロック・ホームズの推理のようだが、原理はさほど変わらない。ソフトで実現できるから誰でも推理の天才になれる。これは世の中を豊かにする方向に動くだろう。

2018年4月1日日曜日

ハードベンチャーの台頭と経営健全性診断


松下電器だって最初は二股ソケットから始まったわけだし、小さなハードベンチャーは何時の時代でも存在していたわけだが、最近はその技術が全国区になってきているように思う。

これはソーシャルメディアの普及とコンピューターの発達によるものが大きいと思う。主要な機械的・電気的設計はCADになっているから、ノマドでも自宅でも可能になってきている。人とのつながりも、ソーシャルメディアで公募に近いことが可能になってきた。3Dプリンタの発達で、高価な金型を最初から作る必要もなくなっている。資金集めもクラウドファンディングができるし、宣伝もネットで可能だ。

Amazon Launchpadをときどき覗くのだが、技術的に凄くなくとも面白そうと思える商品は散見する。今後はこういった小物の多様化が進んで、ロングテールを埋める商品が簡単に手に入るようになるだろう。

その際に問題にすべきは、一般的なビジネスに慣れていないベンチャー企業の、会社としての品質を一定に保つことだ。Amazonに出展する以上は金銭詐欺レベルはあり得ないし、倒産のリスク管理や、潰れないにしてもサポートの質は保つとか、色々とやることはある。

Amazon LaunchpadならAmazonが面倒を見るのが筋だが、そうでなくてもベンチャーのそういった品質のばらつきを計測する仕掛けはほしいものだと思う。逆に言えば、従来よく言われた「ベンチャーは5年以内に8割潰れる」などということの大部分はそれが原因なのだから、そこをしっかり管理すれば生存率は大きく上がるように思える。

近年では、飲食店向けの全オンライン会計管理システムなどは出てきているので、全てをオンラインにして、freeeあたりに納税関係を任せ、ついでに会計事務所に業務健全性を見てもらうようなことは、簡単にできるようになってきている。ただハードベンダに関してはこれが弱い。大企業向けのERPパッケージのようなものはあるのだが、小企業向けに類似のサービスが出てくれないものかと思う。

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