2018年7月19日木曜日

防災対策


http://committees.jsce.or.jp/chair/node/21

南海トラフ地震における土木学会の被害予測が出ている。20年累計で、経済被害 資産被害 財政的被害が各々 1,240 兆円 170 兆円 131 兆円だそうだ。また一方で、38 兆円以上掛けて対策することで、減災額(減災率)は 509 兆円(41%)になるという。

この数字は、インフラの中でも「クリティカル・インフラ」のみの数字であり、道路と港湾は入っている一方、例えばコンビナートは入っていないし、鉄道も入っていないように見える。また、「下限値」との明言もあり、はっきりとは示されていないが、実際にはこの何倍にもなるものと思われる。

対策の基本は道路と港湾の耐震化、例えば橋梁強化や無電柱化などだ。基幹系を優先して行い、筋が通っていれば、後はやればやるほど効果が出る。まあ土木学会の算定数字だから多少の色(対策工事費ちょうだい)はあるにしても、対策の投資効果が10倍程度というのはそこそこ説得力のある数字だ。

38兆円という数字、20年掛けるとなると年間1.9兆円だ。途方もない額にも見えるのだが、日本の一般会計予算は約百兆円で、そのうち公共事業は7兆円くらいであるから、それほど非現実的な数字ではない。この1割でも5%でも割り当てれば、その10倍の効果はあるはずなのだ。

土木学会の数値を更に分解していけば、38兆円のうち効果のある3.8兆円を抜き出して20年で集中投資する、などという案も考えられるだろう。そこまで提言してもらわないと、素人としてはどうしてよいか分からない。

そして、折角発表があったのだから、国は無視しないでしっかり拾い上げ、これに対応して欲しい。同じ公共事業でも、使われない道路よりは防災対策のほうが、はるかに有益なはずだ。

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