2018年7月13日金曜日
AIが解する手順書とは
「ロボットによる家具の組み立て用手順書」を読み返してみて思ったのは、これってもっと根本的に使えるよねぇ、ということだ。家具の組み立てなら決定論的な手順書だが、これは農家が野菜を育てるのでも同じで、ある程度抽象化され曖昧さが残る手順書をAIが解釈して組み立てるという点では一緒ではないか。
つまり、家具の組み立て手順書の前にはパーツの製造手順書があり、その前には原材料の作成手順書があり、その前には栽培・採掘・精製等の手順書があるはずなのだ。抽象度とレベルの違いはあれど、それらが整っていれば全部ロボットが作ることはできるはずだ。
個々の手順書は、恐らく独立に考案され、似たような悩みを違うレベルの人が抱え、解決するのだろう。だがこれでは繋がらない。もっと俯瞰した視点が必要だ(そのほうが効率的なはずだ)。なぜなら、結局それを読み解き実行するのはAIでありロボットなのだから。
例えば、インプットとアウトプットの定義、その途中は組み立てと加工と捕獲・育成等と種類が分かれる。当然コストや時間などは共通パラメータとして必要だし、環境の調整(温度湿度ガス濃度など)が必要な場合もある。廃棄物も出るだろうから、そういったものの処理方法などは共通でよいはずだ。
その各々にAIが動いているとして、インプットとアウトプットと廃棄物、エネルギー・コスト、期間などの組み合わせが上手く相互接続するなら、これは全体最適化と言ってよいはずだ。今風に言うならSociety 5.0というところか。究極の姿というのはこれなのではないか、と思う。個々のエージェントが自ら探すのも良し、マネージャーがいて摺り合わせるのもまた良しだ。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル
VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...
人気の投稿:
-
性善説と性悪説、どちらを取るかと言えば、やや性善説、だろうか。 子供の成長を見ていると分かるのだが、基本的に子供は善だ。だが、同時に自分勝手なところもある。人の持っているものを欲しがり、場合によっては喧嘩してでも奪おうとする。だがこれは「悪」と言えるほどのものではない。 ...
-
http://techon.nikkeibp.co.jp/real/project/025.html 水と混ぜるだけでできるセラミックスで、圧縮強度、曲げ強度、引っ張り強度、接着強度、耐食性、とあらゆる面で優れているのだそうだ。また、混ぜ物ができるので、その特性をさらに...
-
CAS冷凍 については何回か書いているのだが、いわゆる冷凍睡眠にこれを使えないだろうか、と考えた。 不治の病を未来の医療に託すとして冷凍睡眠(実際には死んでから凍っているのだが)している人は居るし、火星程度より遠くに行くとなると冷凍睡眠の実用化は必要になるだろう。「20...
-
骨梁とは、骨の内部に存在する網の目ないしはスポンジのような構造のことだ。この構造によって、骨は頑丈なのに軽量でいられる。類似の構造としてはアルミ発泡材があるが、あれはどちらかと言えば消音や軽量化が目的であり、骨のような(建築用語で言うところの)構造材としての用途とは少し違う...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
フリーズドライには、戻したときに食材の食感が変わってしまう欠点があった。代表的には、豆腐が高野豆腐になってしまう。じゃがいもがスカスカになってしまう。葉物野菜はしなしなになってしまう。これらの欠点を、「 CAS冷凍 」によって補うことはできないか、と考えた。つまり、冷凍には...
-
http://www.reconstruction.go.jp/topics/m18/04/20180409160607.html 復興庁が出した、東日本大震災における復興支援の報告書だ。 ざっと読んだが、よくある役所の成果報告書という感じで、タイトルからして「事例...
-
http://japanese.engadget.com/2017/03/28/ai/ これは、上の記事への反論である。 記事の流れについては先のリンクを読んで頂ければと思うが、大きくはその結論として①AIには想像力がない(苦手)、②日本人には世界に稀に見る想像力...
-
ソフトによっては機能が多すぎて、メニューの中を探すだけで一苦労、ということが増えてきた。画像編集、CADなどは特にそうだが、ワープロ程度であっても既に充分に多い。一度も使ったことのない機能も多々ある。 ソフトによってはメニューがカスタマイズできるものもあるが、その範囲は...
-
電線の地中化が遅々として進まないそうだ。 電線を地中化できない最大の要因はコストだろう。よく「予算が無い」などと言われるが、その本質は「それだけの予算を掛ける価値が見出せない」ということだ。地中化の主目的は防災だが、普段のメリットがせいぜい景観くらいしかないことが、...
0 件のコメント:
コメントを投稿