2018年7月9日月曜日

Oculus Venues


https://www.moguravr.com/oculus-venues-first/

VRによる「中継同時体験プラットフォーム」だそうだ。要はコンサート会場とか野球場のスタンドとかに自分が座っている状態をVRで再現し、見ているものは本物のライブ中継、というもののようだ。他の人と一緒に見ることもでき、隣の人と会話することもできるが、一人で見るモードもあるとのこと。

こういう技術の可能性については何年も前から取り沙汰されてきたわけだが、いよいよ商用の実物が出てきたとあって、具体的な使い道について改めて考える機会が出てきている。今の予定を見ていると、コンサート、野球、ライブショーなどで、基本有料のもののようだ。

まず、VRであるところから、機器1台に付き一人しか見られない、というのが大きい。もし普通に動画放送であれば、大画面にして何人にでも見せることができる。これではチケットの価値が薄れてしまう。配信側にとっては非常に気になるところだったはずだ。

本物には負けるものの、動画配信よりはずっと画質や臨場感は高い。また世界中に配信できることから考えても、動画よりは高額なチケットも売れるだろうし、総額も稼げるはずだ。

従来のYouTuberのような人が進出することも考えられるが、ライブであることを考えると一工夫必要である。まず映像垂れ流しではいけないし、一方向からしか見られないようでも困る。観客からのフィードバックを受けた反応、例えば声援の大きさによる受け答えの時間が微妙にずれる、といったことも必要だ。しかしこれはライブをやっていた人には分かる感覚だから、さほど難しくない。

配信側の工夫は少し必要だろう。スポーツのように勝手に垂れ流してくれるようなものならまだしも、例えばマジックショーで観客に協力を乞う、といったことはあっても良いはずだ。

そしてもう一つ、この仕掛けはもっとローカルに落ちてきても良いはずだ。代表的には学校の運動会。直接見に来るのは親だとしても、例えば遠地の祖父母が参加できる。単に動画配信では多数の親に対処できず難しいだろうが、これなら各々は自分の孫だけに注目して見ることができる。部活動での試合、習い事の発表会なども同様だろう。

そのためにはそれなりの機材やセッティングが必要だが、例えばコンサート会場や公用の体育館などなら、あらかじめ設置しておくという手はある。これは防犯カメラとさして変わらない手間でできるはずだ。

これは設備にとってもOculusにとっても良い収入になるので、値段の設定次第ではあるが、伸び代のあるビジネスではないかと思う。

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