2018年7月16日月曜日

半再帰性反射素材


道路の白線や「止まれ」などの文字には、半再帰性反射素材が使われている。白線塗料の場合、その実体はガラスビーズである。球体ガラスに光線が進入すると、どの方向からであっても来た方向に反射する。このため、ヘッドライトで照らされるとその車にはよく見えるが、周りにはあまり影響しない。

ガラスビーズが球体ではなく変形していたら、またそれが揃って配置されていたら、特定の方向から来た光線は、斜め方向にズレて再帰性反射をするはずだ。それを黒い塗料の上に並べたら、どんなことが起こるか。

それは黒いスクリーンで、地面から垂直に立っているものとする。太陽光線や照明は斜め上から当たるので、それが正面には反射しないように並べれば、スクリーンは黒いままだ。一方で、斜め下から投射するプロジェクタの光が正面に反射するようにすれば、その光だけが見えることになる。

そうすると、「明るいところであってもプロジェクタの投影画像だけが見えるスクリーン」が作れるのではないだろうか。

もしできたらこれは凄いことだ。明るいリビングでも大画面が見られるし、映画館も真っ暗にしなくてよい。日中のプロジェクションマッピングも可能だ。単純に壁の模様替えに使うなど、ライトな使い方もできるようになる。

問題は、そんな材料が作れるのかどうかだ。球体ならただ混ぜれば良かったが、ゆがんだ形のものを並べるとなればそうも行くまい。材料の大きさも十分小さくないといけないし、形の精度も要求される。

可能か不可能かと言えば可能ではあると思う。立体印刷やレーザー加工など、高度な技術を使う方法はあるだろう。後は安価にする方法があるかどうかだ。まずは高価な方法で実証し、有効性が認められれば、何とかしてやろうと考える輩が出てきてもおかしくない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

ダイナミック租税とその指標

今の法律では、税率は一定の計算式で表されるが、そのパラメータは固定である。需要と供給のバランスによって商品の価格を変えるダイナミックプライシングというのがあるが、あれを租税にも適用してはどうかと考えてみた。 納税者の声をベースにして様々な租税や補助金を自動調節して、どこか一箇所...

人気の投稿: