2018年7月7日土曜日
ブロックチェーンはバズワードになるか
夢の技術は、そろそろ幻滅期に入ってきている。その後ブロックチェーンは生き残れるだろうか、そして再び立ち上がれるだろうか。
外から見ると、BitCoinの価値の乱高下や新しい仮想通貨の乱立などが目立ってしまうが、技術的に見ればそれは本質ではない。ひととき言われてきた処理速度の問題も向上してきた。だがそれでも懸念はある。51%攻撃はその一つだし、チェーンの長さが無限に長くなる問題、ストレージ容量の非効率も解決していない。スマートコントラクトの取り消しができない問題、データのプライバシーなど、細かく見ていけばまだまだ問題はある。
結局、ブロックチェーンは分散処理におけるアルゴリズムの一つに過ぎないのだから、他にもっと良いものが出てくればそこで流行らなくなる。分散処理における諸問題を解決するためのアルゴリズムは、ブロックチェーン以外にも多数あるし、そちらも日々進歩しているからだ。
ブロックチェーンが解決しようとしている課題は、センターレスな取引の信頼性確保である。これに対して完全に全ノードを公平に扱おうとすれば、多数決と全履歴の全ノード保管に基づくブロックチェーンの手法は確かに一つの選択肢だ。しかしこれは大量のノードに大量の重複データが存在することを意味しており、データ量、通信量、計算量の大きな無駄だ。
Rippleのように、二重枠を作るというのは一つの手だ。即ち、Proof of Consensusである。他、合意の下データを破棄したり圧縮ないしは間引きを行う仕掛けを「内側の環」で行うことも必要だろう。例えばアーカイブ化(オフライン化)だ。ブロックやスマートコントラクトの有効期限設定や修正なども考えられる。
そうやって色々と複雑化していけば、もはやそれはブロックチェーンとは言えない、新しい分散システムとして新たな名前が必要ではないか。そちらのほうが優れていることが決定的になったときが、ブロックチェーンの終焉である。
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