2018年10月29日月曜日
BtoB物流ロボット
物流にロボットカーを使うというのは、随分前から検討されているものと思う。ただ、コンシューマ向けではまだ制約が大きいだろうから、BtoBでやろうと思うのは普通の発想だ。そして一番熱心なのは宅配業者や郵便局ではないか、と思うのだが、どうも外からはそう見えない。
例えばクリーニング業者とか、コンビニとか、BtoBで末端の店舗とのモノのやり取りをする業種は多いが、そういうものは宅配業者では扱わない。各々チェーン店内で専用の運送網がある。これを宅配業者が一部請け負うようなことはできないだろうか、と考えるに、ロボットカーは適任だ。
このロボットの形態は、軽自動車からキャビンスクーターのような数種類のサイズからなる。コンテナは業務形態に応じて複数用意する。例えばクリーニング用の縦長、食料用の保温保冷、ケータリング用の振動角度吸収型などだ。配達の頻度などから、専用のものを用意するか、流しを拾うかを決める。
専用のものは、従来と同じく個々の業者が持っている配達網を行き来する。しかし車の資産管理は宅配業者であり、代替車を出してメンテするようなところまで請け負う。流しのものは、街のあちこちの充電スポットに待機していて、呼び出しに応じて対応する。当然こちらの方が安い。また、こちらは基本的に「相乗り可」である。つまり、コンテナ積載量に余裕がある場合、呉越同舟(ことなる業者の荷物を一緒に運ぶ)があり得る。
コンテナはある程度標準化して、つぶしが効くようにしておく。例えば複数のクリーニング業者で共通のコンテナ(通函)を使う。専用のものはもちろん専用でもよい。ロボットカーのサイズはイコール最大積載量の違いであるので、これは物流頻度の予測によって宅配業者が最適化する。
荷物の配送依頼と到着の連絡は、スマホ上の専用のソフトで行うようにする。そして荷物の上げ下ろしは店舗の人間の仕事だ。業務契約しているのでその場での支払いはないし、受け取りはスマホのチェックで行う。
こうすると、個々の物流網を持つよりはコストが安くなるはずだ。多少配達は遅くなるだろうが、それはコストとの兼ね合いになるだろう。
また、例えばコンビニなら定期便で受け取るようなところが大部分だろうが、これなら臨機応変に対応できるため、少量多回数にできる。急に雨が降ったり予想外にモノが売れたときの追加補充に便利だ。
宅配業者は、同じロボットカーを使って拠点間配送が行える。これは顧客がいない隙間時間に自動で行われるため、ロボットカーを有効活用できる。
ビジネスモデルとしては一応成り立っているので、有望だと思う。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル
VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...
人気の投稿:
-
性善説と性悪説、どちらを取るかと言えば、やや性善説、だろうか。 子供の成長を見ていると分かるのだが、基本的に子供は善だ。だが、同時に自分勝手なところもある。人の持っているものを欲しがり、場合によっては喧嘩してでも奪おうとする。だがこれは「悪」と言えるほどのものではない。 ...
-
http://techon.nikkeibp.co.jp/real/project/025.html 水と混ぜるだけでできるセラミックスで、圧縮強度、曲げ強度、引っ張り強度、接着強度、耐食性、とあらゆる面で優れているのだそうだ。また、混ぜ物ができるので、その特性をさらに...
-
CAS冷凍 については何回か書いているのだが、いわゆる冷凍睡眠にこれを使えないだろうか、と考えた。 不治の病を未来の医療に託すとして冷凍睡眠(実際には死んでから凍っているのだが)している人は居るし、火星程度より遠くに行くとなると冷凍睡眠の実用化は必要になるだろう。「20...
-
フリーズドライには、戻したときに食材の食感が変わってしまう欠点があった。代表的には、豆腐が高野豆腐になってしまう。じゃがいもがスカスカになってしまう。葉物野菜はしなしなになってしまう。これらの欠点を、「 CAS冷凍 」によって補うことはできないか、と考えた。つまり、冷凍には...
-
骨梁とは、骨の内部に存在する網の目ないしはスポンジのような構造のことだ。この構造によって、骨は頑丈なのに軽量でいられる。類似の構造としてはアルミ発泡材があるが、あれはどちらかと言えば消音や軽量化が目的であり、骨のような(建築用語で言うところの)構造材としての用途とは少し違う...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
http://www.reconstruction.go.jp/topics/m18/04/20180409160607.html 復興庁が出した、東日本大震災における復興支援の報告書だ。 ざっと読んだが、よくある役所の成果報告書という感じで、タイトルからして「事例...
-
http://japanese.engadget.com/2017/03/28/ai/ これは、上の記事への反論である。 記事の流れについては先のリンクを読んで頂ければと思うが、大きくはその結論として①AIには想像力がない(苦手)、②日本人には世界に稀に見る想像力...
-
ソフトによっては機能が多すぎて、メニューの中を探すだけで一苦労、ということが増えてきた。画像編集、CADなどは特にそうだが、ワープロ程度であっても既に充分に多い。一度も使ったことのない機能も多々ある。 ソフトによってはメニューがカスタマイズできるものもあるが、その範囲は...
-
電線の地中化が遅々として進まないそうだ。 電線を地中化できない最大の要因はコストだろう。よく「予算が無い」などと言われるが、その本質は「それだけの予算を掛ける価値が見出せない」ということだ。地中化の主目的は防災だが、普段のメリットがせいぜい景観くらいしかないことが、...
0 件のコメント:
コメントを投稿