2018年10月12日金曜日
バイオトイレの工夫
防災ではトイレがよく話題になるが、バイオトイレが究極の答えであるということは間違いない。簡易トイレでは処理剤や袋が大量に必要で、これが切れてしまえば終わりだが、バイオトイレでは無限に近い処理が可能だからだ。
しかし、そのための設備は高いしかさばるし、下手に作れば上手く処理できず臭ってしまう。デザインも悪い。既存のものは多数存在するが、もっと工夫の余地があるように思う。
まず、現在のバイオトイレの確認からしておこう。それは、おがくずの上に排泄し、攪拌保温の上放置するだけだ。体内やおがくずにある微生物がこれを発酵分解する。一日でほぼ完全に終了する。仕掛けは攪拌と保温であるが、攪拌は自動(モーター)と手動のものがあり、また保温はあるものとないものがある。保温があるものは早く分解し、ないものは時間が掛かったり、特殊な菌を含ませたおがくずを毎回掛けなければならなかったりする。
また、小さいものでは大小分離が必要になる。小が多いと水分過多になり発酵が上手くいかないためだ。このため小はただ溜めるだけになる。タンク(おがくず)が大量にある場合はこれは問題にならない。発酵すると水蒸気が発生するので、換気は必要である。
おがくずは大きなタンク内に大量に入っていて、攪拌のためのプロペラとおがくず交換や掃除のための排出口、発生した水蒸気を逃がすための換気口がある。換気をある程度強制するものも存在する。掃除は大量の水は使えず、菌を殺すような洗剤は不可。またトイレットペーパーは使えるが、大量に使うと発酵が上手くいかないらしい。
問題になるのは、①大小分離は避けるべき、②おがくずとタンクを大量には置きたくない、③ヒーターの電力が馬鹿にならない(手動では使えない)、というものだ。②の弊害として、尻の下が巨大になる、という問題がある。
おがくずが大量に必要なのは、制御が適当だから量で解決しよう、という発想だからだ。そこで、排泄毎におがくず量、攪拌の程度、温度を最適化すれば、最小のスペースで発酵できるはずだ。
このためには、おがくずに直接排便するのではなく、泡洗浄で流したものを粉砕の上搬送する。発酵スペースと便器を分離するのだ。ポンプで陰圧を起こし吸い込むと同時に、途中でプロペラを使い破砕する。泡と一緒に送るので、パイプ内はそれで自動洗浄される。
発酵スペースは、連続投入が可能なように設計されている。糞便が投入されたらセンサが検知して、おがくずをふりかけ、攪拌する。所定の温度と湿度になるまでおがくずが投入され続け、適量になったら徐々に排出される。ここはアルキメデスの螺旋になっていて、保温と攪拌を行いながら発酵を進める。出口ではすっかり発酵は終了している。
発酵が終了したものは、おがくずスペースに投入され、再度攪拌される。このおがくずは、また発酵スペースに投入するものとして使用される。ここは保温されない。
最初に糞便を粉砕すること、温度湿度を適切にすることによって、短時間で発酵が終了することが期待できる。おがくずの量も少なくてよい。だいぶメカメカしいトイレになってしまうが、これなら小さくても十分に機能的なトイレになるはずだ。
残念ながら電源は必要だが、既存のバイオトイレのように全体を暖める必要はないこと、発酵が必要ないときは切れるので、消費電力は大幅に抑えられるはずだ。
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