2018年10月5日金曜日

採点AI


小学校のテストや小テストのマル付けに人工知能を使えないだろうか、というのがこのアイデアだ。

アイデア自体は陳腐なものだが、考えてみれば小学校におけるこの「マル付け」の手間は実に膨大であり、少々精度が悪くとも大いに労働状況の改善に繋がるものだ。

代表的には算数ドリルや漢字の書き取りだろう。こういうものは毎日のようにやるものだし、それに生徒の人数が掛かるわけだから、マル付けだけでも膨大な量になる。この手間が少しでも省けるなら、その価値は十分だ。

小学生だから文字は汚い(読みにくい)だろうが、読み取れないほど汚ければバツにする、という考えも適用できるだろう。そう考えればAIの精度はむしろ高めすぎない方が良い。これは従来とは逆の発想だ。

また、テストは完璧なバックエンドがなくても採点できなければならない。例えばテスト業者のテストならそういうことも可能だろうが、先生のオリジナルの問題に対応できなければ始まらない。すると、必要なのはこんなシステムになる。
  1. シートフィーダー付きのスキャナ兼プリンタが必要だ。そして赤外線インクによる高速バーコード印刷機能を付けてもらう。
  2. これに無線で繋がるタブレットに専用ソフトを搭載する。
  3. 最初に、問題をスキャンする。スキャンしたシートに赤外線バーコードがなかったら、自動でこれを印刷する。以下、他のシートでも同様とする。
  4. ソフトは、イメージデータから各問の境を自動で切り取り、問題をOCRで読み取り、氏名枠も読み取り、可能なら配点を読み取る。教師はこれを手で修正する。
  5. 次に、教師が正解を記入したシートをスキャンする。答えがOCRで読み取られ、ソフトにインプットされる。必要なら教師はそれを修正する。ここまでで準備完了だ。
  6. 次に、生徒のシートを1枚投入する。明らかに正解の場合には自動でマルが付けられ、明らかに間違いであればバツが付けられる。曖昧なものは教師が判定する。そのこと自体も学習される。また、必要に応じてコメントも入れられる。
  7. 生徒の名前もOCRで読み取られる。生徒の名簿はあらかじめ入っており、通常なら読み取れない汚い字でも、その生徒の範囲という条件で予測する。点数も自動計算される。
  8. これを繰り返す。後半になるほどマル付けの精度は上がり、一瞬で採点が終わるものも出てくるだろう。また、採点の間違いや△のさじ加減を修正するなど、必要に応じて先生は採点をやり直すことができる。
  9. 全部の採点が終わったら、再度シートを通すと、赤外線バーコードを元に、採点結果やコメントを印刷する。当然点数は名簿と紐付けられてデータベースに入る。
  10. オプションとして、生徒の親へ点数やテストイメージがWebで閲覧できるようにする。
ハードウェアは新規開発が必要だが、それほど難しいものではなかろう。ソフトとしてもそれほど高度なものは必要ない。問題が同じなら複数のクラスで使えるから、例えば3クラスもあれば百人の効率化が可能だし、業者が導入すれば殆ど採点の手間は必要なくなる。

台数が欲しいところだが、スキャナプリンタだけは例えば3台ほどとして、どのスキャナでも使えるようにしておき、テストを回収したら直ちにスキャンしてから、自席で採点し、採点し終わったら再度通す、というふうにすれば、恐らく数倍の公立は見込めるだろう。

価格設定と精度は問題だが、根は良いアイデアだと思う。売れるぞ。これは。

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