2019年1月7日月曜日

8Kコンテンツイノベーション


4K8Kの開始に伴って、過去のコンテンツをリマスターすることが流行っているようだ。先日は「ウルトラQ」が4Kになって蘇った。

その特集を見ていたのだが、当時16mmで撮られるのが当たり前だったところ、映画に使われる35mmを使っていたのだそうだ。当時のテレビの画質では過剰に過ぎたことも語られていた。またミニチュアセットも、今のものと遜色なかったそうだ。現存しているプロップを見ても、美術品かと間違われるほどの品質だ。「予算はない(天井知らず)」だったこと、全部撮り終わってから放送開始など、何れも破天荒な扱いだったと言う。

これを見て思ったことは、高度経済成長やバブルという背景があったにせよ、そういった思い切ったことができたことこそが成功の原因だったのではないか、ということだ。近年のテレビ産業は視聴率低下と相まって予算も縮こまっているそうだが、鶏が先なのか卵が先なのか、よく考えて欲しい。まだ8Kのレコーダーは世に出回っていないのだから、8Kで超優秀な番組を放送すれば、きっと爆発的な人気を得るはずだ。

巷の評判も、「問題はコンテンツだ」というものばかりだ。転じて放送内容を見ると、そういった思い切った番組は見当たらない。例えば1クールで百億円くらい掛けてSFアクションを作ってみてはどうだろうか。8Kプロジェクタ百台を破格の値段で抽選してはどうだろうか。スカイツリーとあべのハルカスに展望カメラを置いて、一日つけっ放しにして、古館伊知郎に中継してもらってはどうだろうか。4K映画4本をオムニバスで作って、最初は4分割で流し、次第に話が絡み合い、最後に8Kになる映画なんてどうだろう。

ハードは強いがコンテンツは弱い、というのは、日本の昔からの伝統だが、要は新人の発想の芽をつぶさず如何に育てるか、如何にカネを掛けるかのセンスの問題だろう。斬新なコンテンツをぜひ見せて欲しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル

  VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...

人気の投稿: