2019年1月5日土曜日
8K総合情報表示機構
映画「トータルリコール」(シュワ版)の冒頭、主人公の自宅には、壁面一杯のディスプレイがある。ニュースも映せるが、朝は山の風景を映して心を癒す。違和感があったのはむしろニュースの方で、壁一面に暴力シーンが映し出されるのは頂けない。ただ、単に風景を映すだけならもったいない。情報も映してほしいが、もっとマシな映し方があるはずだ。
以前の投稿で、「暗喩MR」というものがあった。これに似た、環境映像を映しつつも情報の入り口になるような使われ方が、8Kには適しているように思う。ゴーグルをつけて歩き回る、きょろきょろする、という能動的な使い方ではなく、風景を付けっぱなしにしておいて、さりげなく情報の端を散りばめておき、ふと気になったものを詳しく知る、というようなものだ。
まず、ベース画面は幾つか選べる。勉強に集中したいときは図書館、人によってはファミレスやカフェ、癒されたいときは高原や海岸、情報を多く得たいときは都会の雑踏、などだ。全てがCGなので、人が一杯映っていても気兼ねする必要はない。
MRと違って視点は固定だ。多くの場合は椅子に座っている設定だろう。そして、自然の風景とは違うのが、そのあちこちに暗喩として情報が映っているところだ。
例えば天気は、二時間後の天気予報に基づくCGだ。自然な形で貼ってあるポスターや看板などは、ターゲティング広告だ。本人の嗜好のみならず、社会の状況や時刻によっても変わる。すれ違う人や遠くで会話している人、店舗での呼び込みの声などは、ニュースを反映している。救急車や消防車、パトカーなどの音が聞こえたら、近くで事故や火事などが起こったことを示している。音が大きいほど近くだ。暗喩にはルールが必要だが、勉強しなければならないほどの難しいものにしてはならない。
そして、その中で気になったものがあれば、操作で詳細を確認できるようにする。その確認も、8K全体で映すのではなく、何処か邪魔にならないところに窓が開いて、そこに番組が映し出されるような形で行われる。大部分は音声・字幕付動画で、フォーマットは決まっている。
情報は、外からだけのものではなく、例えばインターホンが鳴ったとか、洗濯が終わったとか、湯が沸いたとかも入れてよい。そうすることで総合的な情報画面になり、すなわち付けっぱなしにできるわけだ。
こういった総合情報スクリーンは、壁だけのものとは限らない。例えばテーブル一杯に映すなら、風景ではなく事象毎に用意されたエリアに映すなど、色々とバリエーションはあるはずだ。それを個々に考えるのもまた、面白い。
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