2019年1月11日金曜日

IDは不要になる


クラークの「3001年終局への旅」を始め、人間にICチップを埋め込んで識別するという話は非常に多く出てくる。だが、3001年のレベルでこれはないだろう、と思った。その頃には、生体認証だけでID(Identify)ができるようになっているはずだと思うからだ。

但し仕掛けは必要である。複数の生体認証を一度に行う、というのがその基本だから、虹彩、指紋、静脈、耳紋、歩行(行動)、筆跡など、あらゆる情報入手が必要だろう。そのためのセンサもまた、必要だ。

二つ三つなら各々揃えるだろうが、余りにも増えれば「全部高精細カメラでやってしまえ」という発想になって然るべきだろう。8Kの次に何Kが出てくるのか知らないし、また可視光以外にも色々やるとして、更に超解像技術なども駆使すれば、3001年と言わず10年程度のレンジで可能になりそうに思える。

その際に必要なのは、センサ同士の協調動作だ。例えば、PCのログインをするのに監視カメラの映像を使う、といった類の協調である。昔SOAPが流行ったけれどもプロトコルだけを揃えるのではなく、認証基盤の相互信頼だけでなくその目的まで含め、しかも自動で協調するような、オンラインサービスが必要である。それは、
  • 他社に来客や派遣業者として行く場合、あらかじめ登録しておくことで受付をスルーしたり、必要なドアのロックが自動で解除されたりできる。
  • 民間の有料サテライトオフィスに入るだけで自動的に課金が開始され、退場すれば清算される。
  • 出先でPCを借りて目の前にすれば、自動で自分の環境にログインする。
  • タクシーを捕まえて乗り込んで「自宅」と言えば、自宅の住所が自動的に運転手に伝わる。
  • 病院に行って「診察」「薬」などのボタンを押すだけで、自動的に受け付けられる。(付き添いの人もいるだろうから全員が自動にはならない)
といった用途に使うことができる。認証が厳しいもの緩いもの色々あるが、そのさじ加減までも自動にできる。結構ばら色の未来に見えるが、仕掛けとしてさほど難しいとは思えない。最初はスマホ認証と合わせるなど、セキュリティと誤認の危険のバランスをとりながら徐々に進めることは、今からでもできると思う。

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