2019年1月10日木曜日

宗教の伝え方


幸福の科学やオウム真理教は、布教の一環としてアニメ製作を行っている。新興宗教という色眼鏡を取り払ってこの手法を考えると、なかなか良い手段だと思う。薬師寺寛邦の「般若心経 cho ver.」は最初聞いたときに感動したし、テクノ法要、坊主バーといった活動も出てきている。だが、まだ物足りなさを感じる。

一言で言えば、宗教色が強過ぎる。もっと緩い入り方をしないと、現代人には受け入れられないだろう。そこで考えるのが、子供向けのテレビシリーズだ。

なんだオウムと一緒か、と思うなかれ。あくまで宗教は味付けである。それは例えば、プリキュアのサブテーマ(しかも複数あるうちのひとつ)とか、主人公の仲間の一つが法曹界の人間だとか、数ある宗教の教えのうち一つが一話のサブテーマになっているだけ、のようなものにする。

個人的には大好きだが全然ヒットしなかった映画で、「ヤマトタケル」というのがあるのだが、あれは日本の古代神話をベースにした戦隊もの(最後に巨大化して戦う)だった。あんな感じで、味方のピンチに阿弥陀如来が武器を授けてくれるとか、仏の教えに背くと変身できないとか、色々なモチーフをちりばめたヒーローものは作れそうな気がする。

音楽にしても、般若心経をテクノ調にしただけではもったいない。例えば中に書かれている教えを十分割して、一つにつき一曲をポップスやロックなど曲調を変えて十曲作ってはどうだろうか。1枚のアルバムで完結すればよい。衣装も、法衣を着るのではなく、歌に合わせたものにすべきだ。

「天使にラブソングを・・・」でゴスペル調の賛美歌が出たが、お経は元々言葉のレベルで分からないから、大胆に意訳をすべきだし、必ずしも内容が整理されているわけではないから順番も強調の度合いも調整してよい。それは決して「新しい解釈」ではなく、「新しい表現方法」と考えるべきだ。

法話にしても、寺でやるのではなく、出張して相談も受け付けるような形態を許す、そもそも出家していない人でもできる、やる。落語にするのも良いし、テレビのコメンテーター、YouTuberなど、新しい形式に即して積極的に宗教を広める努力というのは、もっと行ってよいのではないかと思う。

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