2019年4月18日木曜日
仕様書AI
システムを開発するには仕様書が必要であるが、たいていは膨大な文書で提供される。そうではなくて、仕様書AIが提供される、という形態を考えてみた。
従来の意味での仕様書は電子書籍として内部に保持しており、これをデータをして上でAIが動いているもので、言うなれば「仕様のことなら何でも知っている人」である。問い合わせ形式は自然言語で良い。また、問い合わせられたことや、誰に何時答えたかなども覚えている。勿論それらをログとして、あるいは大元の仕様書を吐き出すことは可能である。
このAIに疑問を問い合わせると、仕様書から読み取れることを自動で出力する。曖昧な点は自動で作成元に問い合わせ、その解釈は仕様書に自動で付け加わる。また、最初から仕様に不具合があれば、それも自動で作成元に問い合わせる。仕様書自身に矛盾があれば、それも作成元に問い合わせる。問い合わせや回答はシステムに記録される。こうすることで、その仕様書AIの中身は常に最新に保たれる。
このレベルはAIの賢さによって異なるので、差別化ポイントになる。また、これ自体が証跡管理になり、例えば仕様決定の遅れなどはBIで常に閲覧でき、これを最初から契約に盛り込むこと(納期の延長や費用の再調整等)も可能になるだろう。また、常にこれを動かすことで、よくある「仕様書と実態が異なる」という事態は軽減できる。
理想的にはシステムの一部としてこのAIが動いており、改修があればその回収が何に基づくものかを紐付けしてくれれば嬉しい。システム自身が、認識していない改修を拒絶したり、改修の履歴を完璧に覚えていれば、将来的な保守や移植はずいぶん楽になるに違いない。これは「仕様書AI」というよりは証跡管理、改修履歴管理を兼ねたような、もっと高度なAIであっても良いかもしれない。
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